イランがイスラエルに向けて多数のミサイルと無人機を使った大規模な攻撃を仕掛けたことを受け、イスラエルでは16日も戦時内閣の閣議が開かれ、対抗措置について検討を重ねているとみられます。

イスラエル軍のハガリ報道官は16日「イランの攻撃に対応しないわけにはいかない。われわれが決めた時期と場所で行動をする」と述べて、あくまでも対抗措置を辞さない姿勢をアピールしました。

アメリカのNBCテレビはアメリカ政府の当局者の話として、シリアにあるイランが支援する勢力の軍事施設を攻撃する可能性があるという見方を伝えています。

一方でCNNテレビは関係者の話としてイスラエルがイラン国内への限定的な攻撃を検討しているという情報があると伝えるなど、さまざまな選択肢が取り沙汰されていて、イスラエル側がどのような対応をするか予断を許さない状況です。

一方、ガザ地区での戦闘の休止や人質の解放をめぐる交渉について、イスラエルのメディアは、イスラム組織ハマスが、戦闘休止と引き換えに解放する用意ができている人質の数を、20人以下と主張していると報じました。

仲介国などからハマス側に提示された案では40人を解放するとされていたことから「ハマス側は合意を望まず、地域紛争の激化を求めている」とするイスラエル当局者の話などを伝えています。

ハマスは、イスラエル軍のガザ地区からの撤退などを伴う完全な停戦を求めていて、双方の立場は隔たったままで、交渉の行方は一層不透明さを増しています。

英首相 ネタニヤフ首相と会談“冷静さ保つべき”

イギリスの首相官邸はスナク首相が16日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談したと発表しました。

それによりますと、スナク首相はイスラエルの安全と周辺地域の安定を支持すると伝え、これに対してネタニヤフ首相は、イランがイスラエルに向けて発射した無人機をイギリス軍の戦闘機が撃墜したことに感謝の意を示しました。

さらにスナク首相は、イランは今回の攻撃で国際的に孤立を深めたと指摘するとともに、ネタニヤフ首相に対し事態をエスカレートさせる行為は誰の利益にもならず、中東の治安を悪化させるだけで、冷静さを保つべきだと強調したということです。

一方でスナク首相は、パレスチナのガザ地区の人道危機について重大な懸念を抱いているとした上で、支援物資を搬入するための新たなルートをできるだけ早く開けるなどの対応をとるようイスラエル側に注文をつけたということです。

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