米CNNは15日、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザの最南端ラファへの地上侵攻計画を延期したと報じた。イランからの攻撃への対応に加え、ラファに侵攻した場合の国際社会の反応を計算しているとみられる。
CNNによると、イスラエル空軍は15日に地上作戦の前段階として、住民にビラを空中から散布する予定だったという。避難民ら約150万人が集まるラファへの地上侵攻については、人道上の懸念から米国をはじめとする国際社会からイスラエルに自制を求める声が相次いでいる。
主要7カ国(G7)の首脳はイスラエルを攻撃したイランを非難し、イスラエルへの連帯を表明している。イスラエルはイランを国際社会で孤立させるため、ラファ作戦の時期を見極めている可能性がある。
ガザでの戦闘休止と人質解放の交渉は関係国の間で進んでいるが、イスラエル政府は14日、ハマスが停戦案を拒否したとの声明を発表した。イランのイスラエル攻撃を受け、ハマスが地域の緊張の激化をもたらそうとしていると批判した。ハマスは13日の声明で、停戦案への回答を仲介国に渡したことを明らかにし、永続的な停戦、イスラエル軍のガザからの完全撤退、避難民の帰還など従来の要求にこだわる姿勢を示した。(カイロ=其山史晃、エルサレム=高久潤)
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