【NQNニューヨーク=矢内純一】3日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前週末比115ドル29セント(0.29%)安の3万8571ドル03セントで終えた。同日発表の米経済指標が米景気の減速を示し、景気敏感株や消費関連株に売りが出た。週内に相次ぐ雇用関連指標の発表を見極めたいと買いを手控える雰囲気も強かった。ダウ平均は400ドルあまり下げる場面があったが、次第に下げ渋った。

午前発表の5月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数は48.7と前月から0.5ポイント悪化し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(49.6)を下回った。個別項目では新規受注や受注残高が落ち込んだ。4月の米建設支出も市場予想に反し、前月から減少した。市場では「米国の金融政策は制約的で、経済活動にブレーキをかけている」(INGのジェームズ・ナイトリー氏)との受け止めがあった。

前週末のダウ平均は574ドル高と、1日の上げ幅としてはおよそ1年ぶりの大きさを記録した。急伸した後で主力株の一部には持ち高調整売りが出やすかった面もある。週内は4日の4月の米雇用動態調査(JOLTS)、7日の5月の米雇用統計など経済指標の発表が相次ぐ。株式市場では様子見の姿勢が強かった。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、エヌビディアが上昇した。ジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)が2日の講演で、新しい人工知能(AI)向け半導体の投入計画を明らかにし、買い材料となった。ゲーム販売のゲームストップは21%高だった。2021年の急騰劇の火付け役となったとみられる人物が1億1600万ドル相当のゲームストップ株を保有していると伝わり、買いが集まった。

午前にはニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場するバークシャー・ハザウェイなど一部の個別株の取引が中断する場面があった。NYSEは技術的な問題があったと説明している。

ダウ平均の構成銘柄では、原油先物相場の下落を受け、シェブロンが売られた。ダウ、キャタピラーなどの景気敏感株が下げたほか、ホーム・デポやウォルト・ディズニーといった消費関連株にも売りが出た。半面、アマゾン・ドット・コムとアップルが上昇した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発した。前週末比93.655ポイント(0.55%)高の1万6828.670で終えた。マイクロン・テクノロジーやメタプラットフォームズが買われた。

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