ミャンマーの民主化指導者アウンサンスーチー氏(78)が率いた国民民主連盟(NLD)の共同創設者で、かつて国軍幹部も務めたティンウー氏が1日、死去した。97歳だった。死因は明らかにされていないが、老衰とみられる。AP通信や現地メディアが報じた。
ティンウー氏は国軍の前身組織に10代で参加し、社会主義時代の70年代に国軍司令官を務めた。当時政権を率いたネウィン将軍から退役を命じられ、投獄も経験。軍内や国民の支持が高いティンウー氏を、ネウィン氏が粛清したとの見方がある。
恩赦で釈放された後、民主化運動が全国に広がっていた1988年、NLDの結党に加わった。翌年、スーチー氏と同じく自宅軟禁下に置かれ、2010年の釈放まで、計14年間身柄を拘束された。15年にNLDが勝利した総選挙では、スーチー氏とともに選挙運動に参加。人望が厚く、NLD政権時代には国の事実上トップに立ったスーチー氏を支えた。
近年は体調不良がたびたび伝えられた。21年のクーデターで全権を握った国軍は、NLD幹部を次々拘束したが、ティンウー氏は健康上の配慮を理由に免れていた。(ヤンゴン=笠原真)
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