韓国の申源湜(シンウォンシク)国防相が1日、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)で演説した。北朝鮮の核・ミサイル開発について「無分別な開発計画は、この会場にいるあらゆる国を攻撃できる現実的な脅威だ」と述べ、問題解決に向けた国際社会の支持を訴えた。

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 申氏は、今年に入ってからだけでも北朝鮮が12回にわたってミサイルを発射したと指摘。「北韓(北朝鮮)は国際社会の強い反対にもかかわらず、核・ミサイルの能力を高め続けている」と危機感を示した。核問題にも触れ、「北韓の非核化は韓(朝鮮)半島だけでなく、全世界の安定のために欠かせない」と、協力を求めた。

 中でも、米国との安全保障協力に言及。「より強い絆を韓米の間に築き、核拡散の防止につなげる」と決意を述べた。

 北朝鮮が先月末、汚物やゴミをぶら下げた風船を韓国に向けて飛ばしたことを非難し、「正常な国としては想像できない稚拙で低級な行為。反人道的で停戦協定への重大な違反だ」として、直ちに中止するよう求めた。

 ミサイルや風船の問題をめぐっては、韓国の統一省も5月31日、「挑発行為をやめなければ、耐え難い措置を取る」と警告する声明を出した。

 申氏はまた、「国際社会は複合的な安全保障危機に直面している」として、ウクライナやガザの情勢に懸念を示した。ロシアがウクライナへの攻撃に使った武器が、北朝鮮から違法に輸入されていた事実が次々に明らかになっていると指摘。ロシアに対し、国連安保理の常任理事国として、平和構築への役割を果たすよう求めた。(シンガポール=大部俊哉)

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