アメリカのトランプ前大統領は、不倫の口止め料をめぐって帳簿などの業務記録を改ざんした罪に問われ、アメリカの大統領経験者としては初めてとなる有罪の評決が下されました。

トランプ氏は31日、ニューヨーク・マンハッタン中心部の「トランプタワー」で会見を行いみずからの潔白を改めて主張した上で「公平な裁判ではなかった。詐欺的なもので控訴する」と述べ、有罪の評決を不服として控訴する方針を明らかにしました。

量刑を決める審理は7月に開かれることになっていて、裁判が行われているニューヨーク州では量刑が言い渡されたあと、30日以内に控訴することができます。

また、トランプ氏は「バイデン大統領は歴代最悪の大統領で、この国にとって脅威だ」と述べ、バイデン大統領の移民政策や治安対策は失策だと批判し、秋の大統領選挙ではみずからを支持するよう呼びかけました。

トランプ陣営は評決を受けたあと日本円で50億円以上の寄付が集まったと発表していますが、事前の世論調査ではトランプ氏の支持が一部離れる可能性も指摘されていて、大統領選挙に向け、今回の評決が有権者の判断にどの程度、影響があるか、注目されます。

バイデン大統領「不正と言うのは無謀かつ危険で無責任」

アメリカのバイデン大統領は31日、ホワイトハウスで行った演説で、トランプ前大統領に有罪の評決が下されたことについて「法の上に立つ者はいないというアメリカの原則が再確認された。評決が気に入らないからといって、『不正だ』と言うのは無謀かつ危険で、無責任だ。私たちの司法制度はアメリカの礎であり、司法は尊重されるべきで、誰かがそれを壊すことを決して許してはならない」と述べて「不正な裁判だ」などと繰り返し主張するトランプ氏を批判しました。

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