【ニューヨーク=清水石珠実】米映画製作大手スカイダンス・メディアが、米メディア大手パラマウント・グローバルに対する合併提案を見直し、再提出したことが30日分かった。米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などが報じた。スカイダンスはパラマウントに合併を働きかけてきたが、従来案については、パラマウントの少数株主からオーナー家だけを優遇しているとの批判が出ていた。

スカイダンスは修正案で再び、パラマウントに合併を働きかけていくことになる。

5月上旬、パラマウントに対してはソニーグループ傘下の映画事業会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)と、米投資ファンドのアポロ・グローバル・マネジメントが共同で買収案を提示している。スカイダンスとソニー・アポロ陣営がパラマウント獲得で争う構図だ。

スカイダンスによるパラマウント合併の従来案では、手続きは2段階を経る。パラマウントは、事実上のオーナーにあたるレッドストーン家が非上場企業の「ナショナル・アミューズメント(NAI)」を通じて議決権の約8割を握る。スカイダンスはまずこのNAIを買収し、のちにパラマウントとスカイダンスを合併させる。

米メディア報道によると、第1段階でスカイダンスはレッドストーン家に約20億ドル(約3100億円)を払う予定で、オーナー家のみを優遇した案だとの批判が少数株主から出ていた。

WSJによると、見直した合併案の詳細は明らかになっていないという。だが、議決権を持つ株主と持たない株主の両方への還元を増やした内容とみられる。買収案を審査する独立特別委員会が近日中にも内容の精査を始める予定という。

スカイダンスは、米オラクルの共同創業者ラリー・エリソン氏の息子、デービッド・エリソン氏が経営する。米俳優トム・クルーズ主演の「トップガン マーヴェリック」を共同製作するなどパラマウントとの関係は深い。

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