米ニューヨーク証券取引所=ロイター

【NQNニューヨーク=戸部実華】15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反発して始まり、午前9時35分現在は前週末比350ドル90セント高の3万8334ドル14セントで推移している。ダウ平均は今月に入って前週末までに1820ドルあまり下げた後で、押し目買いが入っている。上げ幅は400ドルを超える場面があった。

インフレや中東を巡る地政学リスクを巡る懸念から売りが広がり、ダウ平均は前週末に1月以来の安値で終えていた。イラン革命防衛隊は13日夜、イスラエルへの報復として同国を直接攻撃した。イスラエルの戦時内閣は14日にイラン攻撃への対応策を話し合ったが結論は出ず、バイデン米大統領はネタニヤフ首相に米軍は再報復に参加しないと伝えたと報じられた。

市場では「依然として危険な状況だが、原油や金融市場へのリスクは攻撃前夜の前週金曜日に懸念されたより軽減されそうだ」(エバコアISIのクリシュナ・グーハ氏)との見方があった。15日朝の米原油先物相場は前週末終値を下回って推移している。中東情勢の一段の悪化で原油価格が高騰し、インフレ圧力を高めるとの警戒感がやや和らいだ。

朝方発表された3月の米小売売上高は前月比0.7%増とダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.3%増)を上回った。高金利環境が続くなかでも米消費が底堅いとの見方も投資家心理の改善につながった。景気敏感株や消費関連株を中心に押し目買いが入っている。

ゴールドマン・サックスは6%ほど上昇する場面があった。朝方に発表した2024年1〜3月期決算は売上高にあたる純営業収益と1株利益が市場予想を上回った。前週末に決算を発表して売りが広がった同業のJPモルガン・チェースにも見直し買いが入っている。

一方、米長期金利は一時4.6%台前半と昨年11月以来の高水準をつけた。株式の相対的な割高感も意識されやすく、相場の重荷となる面もある。

個別銘柄ではIBMやキャタピラー、アメリカン・エキスプレスが買われている。半面、データ管理システムを手掛ける企業の買収に向けて協議を進めていると伝わったセールスフォースは売られている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反発して始まった。

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