【北京、ワシントン=共同】中国軍は台湾を包囲する海空域で24日、2日目の軍事演習を始めた。台湾を管轄する軍東部戦区が明らかにした。中国は台湾で20日就任した民主進歩党(民進党)の頼清徳総統を台湾独立派と見なして非難しており、軍事や経済を含むあらゆる手段で圧力を強化する構えだ。
米国務省の報道担当者は「数十年にわたり地域の平和と安定を維持してきた規範を損なうものだ」と批判した。「自制して行動するよう強く求める」と述べ、台湾と緊密に連携して注視していると中国をけん制した。共同通信の取材に答えた。
木原稔防衛相は24日の記者会見で、中国軍の動向に関し「重大な関心を持って注視している」と述べ、日本周辺の警戒監視に万全を期す考えも示した。
演習は台湾本島周辺や台湾離島の金門島、馬祖島付近で実施し、陸海空軍や核ミサイル部隊を管轄するロケット軍が参加。国営中央テレビによると、23日の演習では数十機の戦闘機が台湾の周囲を飛行し、駆逐艦や護衛艦などが周辺海域に展開。軍艦の主砲やミサイルが攻撃準備に入った。
中国で台湾政策を主管する国務院(政府)台湾事務弁公室は23日、演習は「国家主権を守る正義の行動だ」と主張する報道官談話を発表。頼氏が中台を不可分の領土とする「一つの中国」原則に挑戦し、武力による独立を狙っていると決め付け「台湾独立のたくらみは粉砕する」と訴えた。
中国軍は2022年8月と23年4月、同年8月に米台高官らの接触に反発し、台湾を取り囲んで軍事演習を実施した。
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