ロシアの激しい砲撃が続き、煙の上がるウクライナ・ハリコフ州ボウチャンスク(17日)=ゲッティ・共同

【キーウ=共同】ロシア国防省は18日、ウクライナ東部ハリコフ州で新たに一つの集落を制圧したと発表した。17日までに同州で12集落を制圧したとしており、計13となった。ハリコフ州では激しい砲撃が続き、シネグボフ知事は18日、避難した住民が9907人に達したと明らかにした。

州都ハリコフでは17日に誘導爆弾による攻撃があり、4人が死亡した。

ロシア通信は17日、ロシア側関係者の話として、ロシア西部ベルゴロド州との国境に近いハリコフ州ボウチャンスクで、制圧を狙うロシア軍とウクライナ側守備隊の間で「一つ一つの街路を奪い合う」激戦が続いていると伝えた。ロシア軍はハリコフ州南東部の要衝イジュム方面に向け前進し優位に立っているという。

米紙ワシントン・ポストは17日、ロシア軍が国境を越えてハリコフ州に侵入した10日、ウクライナ軍の偵察ドローンが電波妨害を受け、敵の動きを監視する映像が見られなくなったと報じた。

同紙によると、ウクライナ軍が情報通信に使うインターネット接続サービス「スターリンク」が機能不全になった。2022年2月の侵攻開始以降初めてで、ウクライナ軍はロシア軍の電子戦技術の進歩を認めざるを得なくなっていると指摘した。

米シンクタンク、戦争研究所は、ウクライナ軍が欧米から供与された武器をロシア領内への攻撃に使うことが制限されていることで、ロシア軍は国境地域で自由な戦闘行動が可能となり、ハリコフ州北部でのウクライナの防衛能力を著しく低下させていると指摘した。

ロシア西部クルスク州知事は18日、州内に無人機攻撃があり1人が死亡したと明らかにした。ウクライナ南部オデッサ州では17日、ロシア軍のミサイル攻撃で1人が死亡した。

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