【NQNニューヨーク=三輪恭久】17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前日比10ドル54セント高の3万9879ドル92セントで推移している。米経済の先行きに対する楽観的な見方が投資家心理を支えている。半面、株式相場は短期的な過熱感が意識されやすい水準にある。買い一巡後には主力株が伸び悩み、ダウ平均は小幅な下落に転じる場面がある。
米国ではインフレが落ち着く方向にあり、米連邦準備理事会(FRB)が年後半には利下げするとの観測が高まっている。米主要企業の四半期決算は市場の予想を上回る内容が目立った。米経済がソフトランディング(軟着陸)できれば、企業収益の改善が続くとの見方は株買いにつながりやすい。
一方、積極的に上値を追う動きは限られている。ダウ平均は前日の取引時間中に史上初の4万ドルを上回る場面があったものの、大引けにかけて主力株には利益確定の売りが出た。17日の米債券市場では長期金利が前日終値(4.37%)を上回る4.4%前後で推移。金利の上昇で、相対的な割高感があるとみられた株式に売りが出ている。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、ゲーム販売のゲームストップが大幅に下落している。17日朝に発表した2024年2〜4月期決算速報では売上高が市場予想を下回った。株式による資金調達の計画も示し需給悪化への懸念も重なって、売りが膨らんでいる。
ダウ平均の構成銘柄では、キャタピラーやJPモルガン・チェース、アメリカン・エキスプレスが上昇している。一方、アムジェンやインテル、コカ・コーラが下落している。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は一進一退で始まった。テスラとメタプラットフォームズが下落している。一方、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が高い。マイクロソフトが自社のクラウド事業の顧客にAMDの人工知能(AI)向け半導体を使ったサービスを提供すると伝わり、買い材料となっている。
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