ニューヨークのウォール街=ロイター

【NQNニューヨーク=矢内純一】16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前日比33ドル61セント高の3万9941ドル61セントで推移している。米連邦準備理事会(FRB)が年後半に利下げするとの観測が根強く、主力株の一部に買いが入っている。半面、前日に最高値を更新し、4万ドルの大台が迫るなか、持ち高調整や利益確定の売りが出ている。

前日発表の4月の米消費者物価指数(CPI)の前月比の上昇率が市場予想を下回り、インフレ再加速への警戒がひとまず薄れている。FRBによる金融引き締めの長期化で景気が悪化するとの懸念が後退しており、投資家心理を支えている。

個別では、ウォルマートが一時7%上昇した。朝発表の2024年2〜4月期決算で売上高と特別項目を除く1株利益が市場予想を上回り、好感した買いが入っている。そのほかでは、アップルやアマゾン・ドット・コムなどに買いが先行。スリーエムとインテルも上昇している。

ダウ平均は下げる場面もある。今月に入り、2000ドルあまり上昇し、大台の4万ドルが近づいている。短期的な過熱感が意識されやすく、利益確定や持ち高調整の売りが上値を抑えている。アムジェンとキャタピラーが下げている。前日に24年2〜4月期決算を発表したシスコシステムズも安い。

朝発表の4月の米住宅着工件数は前月比5.7%増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(6.0%増)を下回った。4月の米鉱工業生産指数は前月比横ばいと、市場予想(0.1%増)に届かなかった。週間の新規失業保険申請件数は22万2000件と、市場予想(22万1000件)を小幅に上回った。米景気の先行きに対する懸念もくすぶっている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も一進一退で始まった。

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