イスラエル軍がガザ地区の北部や南部で攻撃を続ける中、イスラエルメディアは16日、軍が南部ラファに追加の部隊を配置したと伝えていて、イスラエル軍が今後、ラファでの作戦を拡大するための動きの一環だとしています。

UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関は15日、今月6日からのイスラエル軍の作戦を受けて推計で60万人がラファからの避難を強いられたとしています。

また、国際的な人権団体アムネスティ・インターナショナルなどは15日「イスラエル軍のラファ侵攻で人命を救うための機能は完全に崩壊するだろう」と指摘し「すべての国は即時停戦の実現に向け行動しなければならない」とする声明を出しました。

一方、ヨルダン川西岸のパレスチナ暫定自治区ラマラでは15日、1948年のイスラエルの建国に伴って多くのパレスチナ人が住んでいた土地を追われ難民となった「ナクバ=大惨事」の日から76年になるのにあわせて、数千人が参加して大規模なデモが行われました。

ガザ地区の現状を「ナクバ」になぞらえる人もいて、集まった人々はかつて暮らしていた土地に帰る権利を訴えるとともに一刻も早い停戦を求めて声をあげていました。

参加した男性は「ガザ地区での破壊の規模を見ればイスラエル軍がガザ地区を人が住めない状態にしているのは明らかだ。これは新たな『ナクバ』だ」と訴えていました。

アメリカ軍 “ガザ地区に仮設桟橋設置”と発表

アメリカ軍は、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘で深刻な人道状況が続くガザ地区に海上から支援物資を搬入するための仮設の桟橋が設置されたと発表しました。

アメリカ中央軍は16日「現地時間の午前7時40分ごろガザ地区の海岸に仮設の桟橋を固定した。支援物資を積んだトラックは数日以内に上陸を始める予定で国連が支援物資を受け取り、配付を行う予定だ」と明らかにしました。

また、設置にあたり、アメリカ軍はガザ地区には入っていないとしています。

この計画についてアメリカのバイデン大統領はことし3月に行った一般教書演説の中で「ガザ地区に入る支援物資の量を大幅に増やすことができる」などとしていました。

ただ、アメリカのCNNテレビは「天候や海の状況によっては使用が大幅に制限される可能性もある」と伝えています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。