アメリカ労働省が15日に発表した先月の消費者物価指数は、前の年の同じ月と比べて3.4%の上昇となりました。

上昇率は市場予想と同じ水準で、前の月・3月から0.1ポイント低下し、3か月ぶりに前の月を下回りました。

また、変動の大きい食品やエネルギーを除いた物価指数は前の年の同じ月と比べて3.6%の上昇でした。

上昇率は前の月から0.2ポイント低下しました。

またアメリカの商務省が発表した個人消費の動向を示す小売業の売上高は、先月は7051億8000万ドル、日本円で109兆円余りでした。

これは前の月と同じ水準で、0.4%程度の増加を見込んでいた市場予想を大きく下回りました。

アメリカでは堅調な個人消費が企業の売り上げを増加させ賃金や物価の上昇につながっていると指摘されてきましたが4月は個人消費が減速した形です。

消費者物価指数の上昇率の低下とあいまって市場ではインフレへの警戒がやわらぎました。

FRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長は現在の高い金利水準を維持してインフレ率が低下するまで辛抱強く待つ必要があるという考えを示しており、これらの統計をふまえどのような政策判断をするかが注目されます。

一時1ドル=154円台後半に NYダウ平均株価は4万ドルに近づく

15日のニューヨーク外国為替市場では、この日、発表されたアメリカの小売業の売上高が市場予想を大幅に下回ったことでFRB=連邦準備制度理事会の利下げ時期が早まるのではないかとの観測から円高が進み、円相場は一時、1ドル=154円台後半まで値上がりしました。

その後、ドルを買い戻す動きが出て1ドル=155円台後半まで値下がりしています。

また、ニューヨーク株式市場では、利下げへの期待からダウ平均株価は一時、200ドルを超える値上がりとなり、節目となる4万ドルに近づきつつあります。

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