ウクライナ東部のハルキウ州では、ロシア軍の部隊が国境を越えて侵入し、激しい衝突が続いています。

こうしたなか、ウクライナ軍の参謀本部は14日、ハルキウ州のボフチャンシクなど2か所で「部隊をより有利な場所に移動させた」と発表しました。

「相手の攻撃を受ける中、兵士の命を守り、損害を減らすため」だと説明していて、事実上の撤退とみられます。

ロシア軍は12日までにハルキウ州の9つの集落を掌握したと発表したのに続き、14日には新たに1つの集落をおさえたとして攻勢を強めています。

こうした状況について、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、ロシア軍の攻撃のペースが鈍化しているようだとした上で、「ハルキウ州に深く侵攻するというよりは、緩衝地帯を設けることを優先させるという、われわれの分析と一致している」と指摘しています。

国境に接するロシアの町にはウクライナ軍からの砲撃などが相次いでおり、ロシア軍は国境から10キロ程度の幅の緩衝地帯を設けようとしていると、ウクライナ軍も分析しています。

一方、イギリス国防省は「新たな戦線を開くことで、ロシアはウクライナの兵力を分散させようとしている」として、ハルキウ州にウクライナ軍を引きつけておきながら、東部のほかの前線で進軍するための陽動作戦の可能性もあると指摘しています。

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