【NQNニューヨーク=矢内純一】13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は9営業日ぶりに反落し、前週末比81ドル33セント(0.20%)安の3万9431ドル51セントで終えた。前週末までの8営業日で1700ドル近く上昇した後で、主力株の一部に持ち高調整や利益確定目的の売りが出た。週内に重要な物価指標の発表を控え、様子見の雰囲気もあった。

米連邦準備理事会(FRB)のジェファーソン副議長が13日、インフレ率が目標の2%に向けて低下していることが明確になるまでは「政策金利を制限的な水準に維持するのが適切だ」との見方を示した。ニューヨーク連銀が13日公表した4月の消費者調査で1年後の予想インフレ率が3.3%と、3月(3.0%)から上昇した。インフレ懸念が根強く、FRBが利下げに慎重になるとの見方につながった。

今月発表の雇用関連指標が労働需給の過熱感が薄れていることを示し、FRBが年後半に利下げを始めるとの観測が広がっていた。朝方は買いが先行し、ダウ平均は上昇する場面があったものの、持ち高調整や利益確定の売りに押された。14日に4月の米卸売物価指数(PPI)、15日に4月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、内容を見極めたい投資家が多かった。

半導体株の一部が上昇したことは投資家心理を支えた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、2025年に人工知能(AI)向け半導体の開発を始める計画だと伝わった英半導体設計のアーム・ホールディングスが7.7%上昇した。複数のアナリストが目標株価を引き上げたエヌビディアも買われた。

ダウ平均の構成銘柄では、ホーム・デポとアメリカン・エキスプレス、マクドナルドが下落した。半面、アップルが上昇した。基本ソフト「iOS」に生成AI「チャットGPT」を手掛けるオープンAIの技術を採用することで合意に近づいていると伝わった。ファンドの資金を活用してアイルランドに工場を建設する協議をしていると報じられたインテルも上昇した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発した。前週末比47.369ポイント(0.28%)高の1万6388.238で終えた。米国で一部車種のローン金利を期間限定で引き下げたテスラが上昇した。一方、メタプラットフォームズは安かった。

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