ブラジル南部リオグランデドスル州で降った大雨が甚大な被害をもたらしている。州都ポルトアレグレ近くの湖が氾濫(はんらん)し、各地で大洪水が発生。死者は120人を超え、水害としてはブラジル史上最悪とも言われる事態になっている。11日からの週末に再び大雨が予想され、さらなる被害の拡大が懸念されている。
「わずか2時間で水位が上がり、一気にひざまで水につかった。辺り一面大洪水で、こんな光景は初めてだ」。ポルトアレグレ近郊に住むジエゴ・フェヘイラさん(43)は、朝日新聞の電話取材にそう語った。雨が降り出したのは4月下旬。今月4日に住宅の浸水が始まり、冷蔵庫などの家電製品は壊れ、車も水につかった。高台にある義兄の家にボートで避難した。「全てを失った。神のご加護のもとで、再建するしかない」
洪水の原因の一つが、近くにあるグアイバ湖の氾濫だ。地元メディアによると、2日午後に市街地に湖水が流入し始めた。人口約140万人のポルトアレグレと近郊を合わせ約200万人が被災した。
湖は現在も危険な水位にある。地元の大学研究所によると、危険水位を脱するには少なくとも30日かかる可能性があるという。(サンパウロ=軽部理人)
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