【NQNニューヨーク=川上純平】9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は7日続伸し、前日比331ドル37セント高の3万9387ドル76セント(速報値)で終えた。9日発表の米雇用指標が労働需給の緩みを示した。米連邦準備理事会(FRB)が年後半に利下げに動くとの期待が広がり、米株に買いが入った。

9日発表の週間の米新規失業保険申請件数は23万1000件と、ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(21万4000件)を上回った。労働市場の過熱感が薄れ、FRBが利下げに動きやすくなるとの観測を誘った。米長期金利が4.4%台半ばと前日終値を下回る水準で推移し、株式の相対的な割高感が薄れた。

ダウ平均は午後に上げ幅を広げる展開だった。前日までの6営業日で1200ドルあまり上昇し利益確定売りが出やすい中での株高とあって、市場では投資家の買い意欲が回復しているとの見方が増えている。Bライリーのアート・ホーガン氏は「主要企業の2024年1〜3月期決算が総じて堅調なことが投資家心理を支えている」と話す。

キャタピラーやホーム・デポ、ゴールドマン・サックスなど景気敏感株への買いが目立った。ダウとシェブロンも上昇した。

半面、セールスフォースとIBMは売られた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、英半導体設計のアーム・ホールディングスが下落した。8日夕に発表した四半期決算と同時に示した業績見通しが慎重と受け止められた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比43.509ポイント高の1万6346.265(速報値)で終えた。

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