本作は,アニメ調のグラフィックスを採用したターン制RPGであり,これまで「Nemonic」(関連記事)という名前で発表されていたタイトルだ。古典的なJRPGのスタイルをベースに,キャラクターの収集・育成,シームレスなワールド,戦略的なPvPなどの要素を加えているとのこと。
韓国の新進気鋭のスタジオBLACKSTORMにとっての処女作となり,今回のインタビューでは代表のキム・ドユン氏,プロデューサーのホ・グォン氏,アートディレクターのイ・ジンス氏が,さまざまな質問に対して回答している。なお,韓国でのリリースは2024年Q4(10月〜12月),グローバルリリースは2025年を予定しているそうだ。
インタビューの全文は,以下のリリース文を参照してほしい。
BLACKSTORM 『REMEMENTO - White Shadow』
アニメ調グラフィックとターン制戦略を盛り込んだ新作RPG
JRPGの本場日本に、韓国の新生ゲーム開発会社「BLACKSTORM」が「REMEMENTO - White Shadow」で挑戦状を叩きつけました。
『REMEMENTO - White Shadow』は、先日まで「Nemonic(仮)」として紹介されていたプロジェクトで、サマナーズウォーの企画者として参加していたホ・グォン開発本部長を中心に、約100人の開発チームで構成されたBLACKSTORMの初作品です。
古典的なJRPGの感性が感じられるターン制RPGに、魅力的なキャラクターを収集・育成していく要素を加えたのが特徴です。100個以上のシネマティックカットシーンとキャラクターボイス、時間の変化が適用されたローディングのないシームレスなワールドを自由に探検できる要素、そして自分だけのチームを構成して戦略的な戦闘を楽しむPVPなど、様々な面白い要素が盛り込んでいます。
この日の懇談会でBLACKSTORMは「REMEMENTO - White Shadow」はモバイルとPCクロスプラットフォームとして開発されており、11月のCBT以後、韓国で正式に発売し、来年からはグローバルサービスに拡大する計画を明らかにしました。
以下は開発チームとの一問一答である。
BLACKSTORMの紹介をお願いします。
キム・ドユン代表 : 当社は創業して2年ほど経ちました。2年6ヶ月間、今年第4四半期に発売予定の『REMEMENTO - White Shadow』に全力で開発しています。開発チームの初期人員は30人程度でスタートしましたが、ゲームの完成度を高めるために人員を増加させ、現在は約100人余りまで達しております。
以前は『Nemonic』というプロジェクト名で開発しておりましたが"、最近『REMEMENTO - White Shadow』 という正式なゲーム名が決まりました。2年間心血を注いだプロジェクトであるだけに、多くの応援をよろしくお願いいたします 。
「REMEMENTO - White Shadow」ゲームについて簡単に紹介して下さい。
ホ・グォンPD : 『REMEMENTO - White Shadow』の開発総括を担当しております。『REMEMENTO - White Shadow』を一言で表現すると、JRPGの感性と戦略RPG本来の戦略的要素を楽しむことができるゲームです。タイトルからも分かるように、記憶をよみがえらせ、思い出すと言う意味でメインシナリオのストーリーラインをタイトルに含蓄しました。また、オリジナルストーリーとカトゥーンレンダリングをベースにした高クオリティーの感性的なアートと100個以上のインゲームシネマティックシーンをゲーム内で見ることができます。カートゥーンレンダリングで作られた高クオリティーのグラフィックが特徴であり、最新バージョンのUnreal Engine 5をベースに開発されています。技術的および感性的な完成度を追求しています。リアルタイムライティングが反映される技術を通じて、このゲームだけの独特なムードをお見せする予定です。
アニメ調ゲームの核心はストーリーラインですが、「REMEMENTO - White Shadow」のストーリーはどんなものでしょうか?
ホ・グォンPD : メインストーリーには人気声優さんが起用されており、フルボイスで楽しむことができます。ストーリーの進行と没入感を高めるために、100以上のシネマティックカットシーンが用意されており、すべてゲーム内の演出として実装されています。ゲームプレイでは、ローディングなしでシームレスなオープンワールドを探検する楽しさを提供します。ワールドには時間の変化があり、ディーター大陸で起こる様々な環境をローディングなしでお楽しみいただけるよう準備しています。
『REMEMENTO - White Shadow』を「原神」または「崩壊:スターレイル」と比較するゲーマーのフィードバックがよくあるのですが、同じジャンルの他のゲームと差別化された点は何でしょうか?
ホ・グォンPD : 特に「崩壊:スターレイル」と比較をされる方々がいらっしゃいます。アートやジャンル的な部分は類似性がありうると思います。しかし、私たちは全体的なムードや雰囲気を暗い感じに反映させており、 フィールド戦闘部分はJRPGをベースにしています。フリープロダクション段階では『崩壊:スターレイル』が発売されていなかったため、他社のゲームを参考にすることはできませんでした。ですが、「崩壊:スターレイル」はグローバルで多くのユーザーに愛されているゲームなので、比較されるだけでもありがたいです。私たちの差別点は戦闘だと思います。公平なバランスを保ちながら、面白く戦略的な戦闘が楽しめるようにデザインしました。私たちは元々JRPGを参考にしてこのゲームを作りました。
イ・ジンスAD : 最初に投資を誘致しようとした時、韓国でアニメ調ゲームは現在ほど人気ジャンルではなかったため、冒険的だと思われ、投資誘致が難しかったのです。結局海外から投資を受ける事に成功して初公開をしたのですが、その時は良い反応を得られませんでした。そうするうちに「崩壊:スターレイル」が発売され、その後、韓国での投資の問い合わせが続きました。年度で説明すると、2022年からフリープロダクションおよび本開発に入ったため、「崩壊:スターレイル」を念頭に置いて開発することはありませんでした。私たちは、JRPGと現在のRPGに焦点を合わせてコンテンツを作っていく計画です。
以前公開されたコンテンツと最近の姿を比較した際、雰囲気が良くなったように思えます。雰囲気を変えた理由があるのでしょうか?
ホ・グォンPD : シェーディングの側面で試行錯誤を重ねました。ストーリーを修正しながら明るい雰囲気よりも慎重で深みのある演出を用意するようになりました。以前公開したデザインは明るい色彩を主に使用していましたが、そのような部分もアポカリプスの世界観に合わせて色味を抑え、その結果、『REMEMENTO - White Shadow』という全体的な表現が完成しました。サブタイトルが『White Shadow』であるため、ゲーム内では白黒の対比演出やライティング効果が後半に進むにつれて多く表現されています。
キム・ドユン代表 : BLACKSTORMのすべてのゲームは、インゲーム映像を用いてPVを制作していますが、モデリングや背景など、序盤に公開された映像は初期開発段階の内容です。後半の部分では、より高い技術力を投入したコンテンツをご覧いただけると思います。
自動戦闘はどのように実装されているのでしょうか?
ホ・グォンPD : 移動は自動にするのが良くないと考え、ユーザーが直接操作する方がいいと思います。戦闘はターン制ですが、デッキ構成が完了した状態で戦闘を行います。基本的では手動操作となっており、希望に応じて自動戦闘も可能です。パーティーの構成は手動で行い、自動戦闘では高度なAIが反映されています。しかし、スキルの順番などを考慮して効率を最大化するためには、手動で操作する必要があります。
戦闘システムが複雑そうです。詳しく説明をお願いします。
ホ・グォンPD : 戦闘システムはとてもシンプルです。シンプルさの中で戦略を探さなければならないですが、普通のゲームのルールが難しいのではなく、派生する戦略が難しいため、戦闘やスキルを扱う方式はJRPGがかなり難しいです。すべてのキャラクターの能力は、バフ・ディバフが共通して適用されています。4人で構成されるパーティーが志向であるため、このような面ですべてのキャラクターを使って戦略を立てることができます。付け加えてガードクラッシュがあるのですが、数字のぶんだけ攻撃するとガードが割れます。直観的に接近して簡単に身につけることが出来ますが、どのように使うかを悩んでみてもらいたいです。
ビジネスモデルはどの様なものでしょうか?
ホ・グォンPD : 確率型アイテムを導入しています。キャラクターや武器をガチャで引くことができますが、高い等級や新しいキャラクターだからといって、必ずしもより良いアイテムが得られるわけではありません。私たちのゲームは後発であるため、アイテムの価格面でも競争力があります。また、プレイヤーが自分の好みに応じて必要なものを選択して構成できるように、アイテム購入はゲームを楽しむ一つの選択肢として考えていただければと思います。
ゲームの要求スペックはどの程度でしょうか?
キム・ドユン代表 : 最適化作業を一生懸命進めており、現在の進捗度は約70%です。最近発売される アニメ調ゲームと同じスペックを目指しており、最小仕様は広く普及しているスペックを考慮しています。機種や設定によって、平均30フレームから最大60フレームで動作する予定です。
発売前までにテストやデモンストレーションの計画があるのでしょうか?
キム・ドユン代表 : 6月に一度グローバルFGT(フィールド・ゲーム・テスト)を実施しました。韓国では50人、グローバルでは約50人を募集して集中テストを行いましたが、反応は非常に良好でした。オープン直前の11月頃には、1,000人から2,000人規模のCBT(クローズド・ベータ・テスト)を実施する予定です。
キャラクターごとに役割があるようだが、デザインの側面で直観的に表現される要素があるのでしょうか? そしてスキンはどのようなものでしょうか?
イ・ジンスAD : キャラクターデザインにはストーリーを加えたいと考えました。職業の種類を見せるよりも、メインストーリーに通じる物語を表現しています。職業区分のデザインは存在せず、属性のキーカラーを表現しています。スキンシステムは発売バージョンに含まれており、装飾に限定されています。購入や名誉報酬の形で提供される予定です。また、ユーザーにプレゼントを提供するイベント形式で、テーマに合わせたスキンを追加を検討しています。
アニメ調ゲームを目指すだけに、魅力的なキャラクターも重要だと思うのですが、デザインに焦点を置いた部分はありますか?
イ・ジンスAD : アニメ調ゲームの選好要素には、性格や容貌設定など、視覚的な要素と感性的な要素がすべて満たされると、欲しいという気持ちが湧きます。このような部分については多くの議論を重ね、魅力的なポイントや表現に重点を置いて努力しました。キャラクターごとに異なる魅力を持たせるようにしました。また、ユーザーの感性を刺激するために、非常に多くの努力を注ぎました。
キム・ドユン代表 : 「原神」をプレイしてキャラクターの魅力とストーリーを確認した後に、欲しいと思いました。私たちのゲームが目指しているデザインは、キャラクターの個性とストーリーに集中することです。
キャラクターの成長要素と方式はどんなものでしょうか?
ホ・グォンPD : 内外的要素に分かれるのですが、レベリングと覚醒などがあり、セット装備などを装着することができます。
キャラクターと交感できる部分はありますか?
ホ・グォンPD : キャラクタークエストと連携した好感度システムがあり、今後の拡張を計画しています。ただし、直接的に対話するようなメッセンジャー機能はありません。好感度を高めるためには、対話をたくさん行い、贈り物や料理を与えることで上がります。また、クエストを一緒に進めることも効果的です。
韓国のアニメ調ゲームユーザーは通常、PvPを好まないのですが、 PvPと成長要素がどのように反映されるのでしょうか?
ホ・グォンPD : 慎重にアプローチしています。序盤は非同期式PvPを採用し、ユーザーの反応に応じてリアルタイムPvPを追加する予定です。この際に獲得するアイテムが成長に直接的に影響を与えることは、最大限排除する方針です。
ストーリーをプレイすると、やることがなくなる場合が多いのですが、ストーリーのアップデート周期はどのくらいでしょうか?
ホ・グォンPD : 小規模なアップデートは3週間ごとに行います。ただし、1つのチャプターが追加される大規模なアップデートは3ヶ月ごとに予定しています。ある程度事前に作成したコンテンツがあるため、調整しながら進めるつもりです。
インゲーム戦闘で状況を変えられる戦略的要素があるとしたらどのようなものがあるのでしょうか?
ホ・グォンPD : システム面では、スキルをどのタイミングで使用するかが重要です。乱入や天候の変化があることも考慮されますが、戦略よりも複雑さが増すと見ています。スキルの選択がカギとなります。共通の資源を使って、スキルは1つだけなので、どれだけ資源を投入するかによってアップグレードされるシステムです。これが戦略の核心です。
オープンワールドにどんな探検要素があるのでしょうか?
ホ・グォンPD : オープンワールドという表現を使用する際には非常に慎重になります。なぜなら、ユーザーの期待が高いためです。私たちはある程度制限されたワールドを提供しています。フィールドには属性やギミックを利用したパズル要素を配置し、採集、狩猟、釣りなどの要素も追加する予定です。
キム・ドユン代表 : 敵と遭遇すると、その場で即座にターン制バトルが始まる、初のモバイルゲームになるでしょう。そのため、地形に対する制約がかなり多いです。
キャラクターナーフの可能性があるのでしょうか?
ホ・グォンPD : そのようにならないためには、デザインをうまく行うことが重要だと思います。ユーザーはキャラクターのバランスに非常に敏感です。そのため、ナーフ(能力の減少)ではなく、バランス調整の周期を設定するつもりです。意図しない調整が行われた場合には、アビリティの縮小や代替手段の用意が必要になるでしょう。一つのキャラクターを強化するよりも、全体を把握するのが重要です。共通の技術を使用し、キャラクター間の協力を優先することが重要になるでしょう。
1日のプレイタイムはどれくらいでしょうか?
ホ・グォンPD : ライトユーザーの基準でストーリーを全て進めた場合、必須のデイリークエストは15分以内で終わると考えています。その後は、ユーザーの好みに応じて、さらにコンテンツを楽しんでいただけると思います。
最後に一言。
キム・ドユン代表 : お金を稼ぐゲームよりも、多くのユーザーに長く楽しんでもらえるゲームでありたいと思っています。本当に面白く、長続きするゲームを提供することがBLACKSTORMの基本方針です。多くのユーザーに愛されることを願っています。
イ・ジンスAD : アートの面では、キャラクターを一つ作り上げるまでに多くの試行錯誤をしております。ユーザーにどんなプレゼントを提供できるかを考えながら、アップデートを準備して進みますのでご関心をお願い致します。
ホ・グォンPD : 以前から作りたかったジャンルなので、良い機会となりました。実を結ぶまであと少しですが、多くの方々に長く愛し続けていただきたいです。これを契機に、今後は私たちのオリジナルIPが多様に拡張できることを願っています。
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