リリエーーーーーーール!!!!
すまない。ちょっと興奮してしまった。
Aimingは2024年9月3日に新作スマートフォンゲーム「2.5次元の誘惑(リリサ)天使たちのステージ」(iOS / Android)をリリースした。
本作はTVアニメ「2.5次元の誘惑(リリサ)」をベースに,奥村正宗や天乃リリサたちが繰り広げる熱血青春ストーリーを追体験できるオンラインRPGである。
現在放送中のTVアニメに連動して毎週更新される本編ストーリーに加え,原作者である橋本 悠先生公認のゲームオリジナルストーリーが展開していくという,なんともリッチなゲームになっている。
そうした作りなだけに,ゲームの魅力を存分に味わうには,やはりアニメを見ておきたいところ。というわけで,まずはTVアニメ「2.5次元の誘惑(リリサ)」の面白さをお伝えたい。
記事の性質上,ある程度のネタバレを含んでいる。核心となる部分を避けるように注意深く執筆しているが,それでも初めての視聴体験にある程度の影響を与えてしまうと思う。それを避けたい人は今すぐ閉じて,アニメを見よう。
念を押して言っておきたい。面白いのでとりあえず「2.5次元の誘惑(リリサ)」を見て!!
ラブコメアニメの皮を被った熱血青春アニメ
「2.5次元の誘惑(リリサ)」は,少年ジャンプ+で連載されている橋本 悠先生のマンガを原作としたTVアニメだ。原作はシリーズ累計発行部数300万部を突破した話題作となっている。
本作の主人公は,とある高校に通う男子生徒・奥村正宗(CV:榎木淳弥)。先輩たちが卒業し,1人ぼっちになってしまった漫画研究部の部長である。
筋金入りのオタクであり,「3次元の女に興味はない」と断言する。それは「母が男を作って蒸発」「小学生の頃に好きだった子に告白したら悪いうわさを流されいじめられた」「クラスの女子にオタクキモいと言われている」などの経験からだが,本人はまったくめげておらず,「次元を一つ落とせば天使が待っているから」と,アシュフォード戦記※のヒロイン・リリエル(CV:堀江由衣)を「俺の嫁」と呼び,悠々自適なオタクライフを満喫していた。
※作中作。勇者アシュフォードとリリエルが魔王を倒すため冒険する王道漫画。劇中では「リリエル外伝」というスピンオフ作品が連載中。
奥村正宗 | 天乃リリサ |
そんな奥村が1人で活動する漫画研究部に,新入生の女の子・天乃リリサ(CV:前田佳織里)が見学に訪れる。突如訪れた3次元女子に警戒心を抱いていた奥村だが,リリサのリリエル愛を見せつけられ,部員にほしいが,3次元女子は……と葛藤していた。
すると突然,リリサから相談を持ち掛けられる。その内容に引かれないか心配しているリリサに対して,「オタクたるもの好きなものの話は否定しない」と受け入れた奥村だったが,リリサの相談というのはコスプレをしてROMを作りたい,というものだった。
奥村は悩みつつも,「どんなエロいコスプレをしようが,けして邪な心など抱かないと約束しよう」と宣言しながら,ROM制作にカメラマンとして協力していくことになるのだが,リリエルのコスプレを披露したリリサに「本物のリリエルだ」と衝撃を受ける。3次元の女に興味はない奥村だが,「2.5次元(コスプレ)の女の子なら,それはやってみなければわからない」と心が揺れるのだった。
というのが,「2.5次元の誘惑(リリサ)」冒頭のあらすじだ。
物語の序盤はヒロインたちにドキドキするラブコメ模様が展開していく。
例えばリリサはコスプレに対しての熱量の高さゆえに,羞恥心というものがなく,奥村がいる部室で急に着替えはじめたり,下着も衣装の一部と認識しているので,恥ずかし気もなくスカートをめくって下着を見せたりと,リリサにその気はなくても,奥村を動揺させてしまうという,お約束的な展開もある。
奥村のことを「クソオタク」と呼ぶが,それはオタク趣味に傾倒しているがゆえに自分に振り向いてくれない,という思いからの言葉で,オタクを否定しているわけではなく,リリエルを嫁と呼ぶ奥村に対しても「バカに一途で無駄に紳士なところを好きになった」とむしろ肯定している。
前述したモデル活動も含めて,奥村に振り向いてもらうために努力は惜しまず,ボサボサだった幼少期の髪も丁寧にケアしてリリエルに寄せた髪形にしている。
ちなみに,奥村が好きな作品なのでアシュフォード戦記を履修しているが,美花莉自身はオタクというわけではなく,本作で唯一といっていいほどの非オタクキャラ。オタクとして振り切ってるリリサや奥村に対して鋭いツッコミを入れている。
とまあラブコメの波動をかなりの強さで発しているが,物語が進むにつれて,熱血青春コスプレアニメの色合いが濃くなっていく。
その契機となるのが第3話の後半,コスプレROMを作ってコスプレイベント“ハルコス19”に参加を決めたところからだ。イベントまで1週間と時間が限られた中で,ROMを作ることになる。「つまらない作業だから先輩を巻き込むわけには」と,その制作をリリサがひとりでやろうとしていた。
「できそうなことだけ首を突っ込むのは手伝うとは言わないだろ。すべて一緒にやると,俺はそう約束したんだ。」
奥村はそう言って,ROM制作にも関わっていくことになる。
なんとかROMが間に合って,ハルコス19に参加するのだが,初参加ということもあってトラブルも続出する。しかし,リリサは同じコスプレという趣味を持つ人たちと出会い,奥村はリリサのコスプレに対する熱意に感化され,コスプレに真剣に向き合っていくことになる。
そこからは新たな仲間との出会いや,いろいろな葛藤をしながらも乗り越えていく,熱血青春ラブコメストーリーが展開していくというわけだ。
「2.5次元の誘惑(リリサ)」を語るうえで欠かせないのが,キャラクターたちの魅力だ。
まず声を大にして言いたいのは“登場人物全員良い人”ということ。ライバルは存在するが,悪役は存在しないのだ。コスプレに対して真摯に向き合い,自分なりの答えを持ち,その違いで衝突することはあるけれど,みんなコスプレを愛する仲間なのである。なんというか,あるべきオタクの姿が描かれていると思う。
コスプレといったオタク趣味という,世間的(最近ではその傾向も少なくなっているが)に見れば否定されがちなものという負い目を感じながらも,それが好きであるという自分の気持ちに正直に生きていく彼(彼女)らの姿は見ていて気持ちがいい。
一方で,自己肯定感の低さからか,みんな何かしら拗らせている。例えば奥村は「3次元の女に興味はない」と言っていることからも分かるように,現実に対して斜に構えている節があるし,リリサは人の影響を受けやすく,自信が揺らぐことも多い。等身大の感情が描かれているのだ。
だからなのか,筆者も登場人物に感情移入し,心を揺さぶられることが多い。熱いストーリーやセリフで目から汗が流れるのだ。どこがそうなのか,語りたいことは山ほどあるのだが,視聴して感じてほしい。
また,コスプレやコスプレイヤーの世界を知らない人のほうが多いと思うが,そうしたコスプレの裏側を描いているのも本作の特徴のひとつである。コスプレ衣装やコスプレイヤーがコスプレにかける思い。コスプレ会場でのルールや文化など,興味深い話も出てきて,そこだけでも引き込まれる。
筆者もコスプレROMという存在を「2.5次元の誘惑(リリサ)」で初めて知り,そういう世界があるのだと知見が広がった。
そして随所に挟み込まれるオタクトークでニヤリとしてしまうことも多い。有名作品のセリフやネットミームなどのパロディでクスッとなってしまうが,それも登場人物をオタクたらしめるエッセンスとなっている。
記事掲載時で9話まで放送されており,各配信サイトで視聴可能だ。ぜひ観てほしい。
アニメを見てハマったらゲーム「2.5次元の誘惑(リリサ)天使たちのステージ」も絶対楽しめる
9月3日にリリースされた「2.5次元の誘惑(リリサ) 天使たちのステージ」は,冒頭でも伝えたようにTVアニメ「2.5次元の誘惑(リリサ)」をベースとしたスマートフォンゲームだ。
TVアニメに進行度に連動したストーリーが展開し,キャラクターもアニメの進行度に応じて追加されるという徹底ぶり。アニメ放送時はリアルタイムコンテンツとしても楽しめるという,一粒で二度おいしい展開となっている。
一番の魅力は,アニメのキャラクターたちが3Dグラフィックスで再現されているということ。ストーリーではアニメカットも使いつつ,アニメで描かれていたシーンが3Dグラフィックスで表現されており,リリサや美花莉といったキャラクターたちの姿を堪能できる。
新感覚コスプレバトルと銘打たれたバトルシーンではキャラクターたちのポージングも楽しめる。条件を満たすと併せポーズも拝めるというリッチさで,アニメでは描かれなかった組み合わせも見られるのは嬉しいところだ。
コスプレバトル自体も戦略性が高く,原作の雰囲気を壊さない設定で面白い。特に考えなくてもバトルを眺めるだけで楽しい。
そして! これも一押しの要素になるが,アニメ本編で名前こそ出るものの,フォーカスされていないコスプレイヤーたちもキャラクターとして登場する。しかもフルボイスで。交流によってトークを楽しめるので,詳細が描かれていなかったキャラクターの意外な一面を見ることができるだろう。主役級以外のキャラクターも魅力的で,新たな推しキャラがきっとできる。
ちなみに筆者は和装しがちなコスプレイヤーの雅が秒速でお気に入りになったとだけ言っておこう。
また,こちらも冒頭で伝えたが,橋本 悠先生公認のゲームオリジナルストーリー「2.5次元の愛情(まゆり)」も用意されている。かつてはコスプレイヤー四天王の1人として君臨し,現在は漫画研究部の顧問である羽生まゆりの過去にスポットライトを当てた物語だ。
アニメのストーリーを復習しつつ,オリジナルストーリーも楽しめるので,放映日の合間にプレイして最新話を待つ,なんて楽しみ方もできる。
アニメが好きならば間違いなく楽しめるゲームなので,ぜひプレイしてほしい。
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