gamescom 2024のESDigital Gamesブースにて,同社が販売するタイトルが出展されていた。ESDigital Gamesは,スロバキアを拠点にして東欧向けのパブリッシングを行っており,数年前にキプロスに本拠を移してからは,ヨーロッパ内外のインディー作品の販売をサポートしている。特に昨年あたりからは,しばしば名前を目にするようになってきた。


 ESDigital Gamesは,過去に4Gamerでも紹介した「にゃんこ対ゾンビ」や,中国生まれのメトロイドヴァニアとして期待が集まっている,Dark Pigeon Gamesの「Awaken - Astral Blade」のパブリッシングを務めており,gamescom 2024でもパブリックエリアに7タイトルを出展していた。

 Parity Gamesが開発を進めているアドベンチャーゲーム「Island of Winds」はこちらで紹介しているが,本稿ではイタリアのStorm in a Teacupが開発中のステルスアクション「Steel Seed」と,惑星が9つのアステロイドに分かれているというユニークな世界設定のアドベンチャー「Sky of Tides」の2タイトルを紹介しよう。

■Steel Seed

開発: Tea Cup in a Storm
発売予定日:2024年内
https://store.steampowered.com/app/458430/_/


 「Steel Seed」(Steamストアによると日本語名は「鋼鉄の種」)は,アンドロイド系種族に吸収された地球の存亡をかけて,パワードスーツを身に着けた戦士“ゾーイ”が主人公だ。相棒であるドローンの“コビィ”と共に,人類存続のカギと答えを求めて,厳重に警護された地下施設の中へと潜入していくというSFステルスアクションとなっていた。


 ゲームプレイは,どこか「Ghostrunner」シリーズを連想させる軽快なパルクールでマップを駆け抜けぬけるアクションと,見つからないように物陰に隠れつつ,敵をキルしていくステルスアクションという二面性を持っている。

 アンドロイドたちは,コビィが攻撃しない限りは敵であるとは認識しないので,敵がいる場所ではコビィの視点に切り替えて探索し,敵の配置や地形を確認しておく。コビィでも攻撃できるが,戦闘になると相手の警戒レベルも上昇するので,注意が必要だ。


 地形や敵の配置を確認したら,再びゾーイに切り替えての潜入を開始する。単純な銃撃戦で,複数の敵を倒すのは難しく,ステルスアクションを使って敵を排除する必要がある。
 マップには,青白い電磁波の気流を放っている部分があり,この場所でしゃがみ込むとアンドロイドに認識されなくなる。これを利用して敵に背後から近づいたり,身を隠したりして,敵を1体ずつ倒していくわけだ。

 「Steel Seed」を開発するTea Cup in a Stormといえば,Xbox One向けにリリースされたアドベンチャー「NERO」(2015年)や,ホラーゲーム「Close to the Sun」(2019年))など,10年近くにわたって活動してきたメーカーだ。

 その中でも「Steel Seed」はかなりアクション寄りのゲーム性を持つタイトルと言えるだろう。また,脚本は,BAFTA賞の受賞経験もあるMartin Korda氏が手掛けているという。


■Sky of Tides

開発: Lofty Sky Entertainment
発売予定日:未定
https://store.steampowered.com/app/1120330/Sky_of_Tides/


 カナダのオンタリオを拠点にするLofty Sky EntertainmentによるRPG「Sky of Tides」は,大災害により惑星“ヌーメン”が9つのアステロイドに分かれてしまい,そのまま微妙な引力のバランスによって1つの星の体系を保っているという不思議な世界が舞台だ。
 “Sky of Tides”というタイトルからも想像できるように,本作の舞台では,元々の海にあった水分が大気圏のさらに上層部で薄い膜を作って波打っている。


 9つのアステロイドは独立して独自の文化や意識が芽生えていく中,神秘的な能力を持つ希少鉱物“コロン”の掌握によって,テクノロジー革命の発展を進める“シンジケート”と,禁断のヌーメンの古代遺跡に刻まれた過去への回帰を望んで活動を続ける“ソブリン”という2つの超国家組織が対立を深めていく。

「Sky of Tides」を紹介してくれた,Lofty Sky Entertainment代表のJason Loftus氏

 主人公のリンは,そうした政治のしがらみとは程遠い農村に暮らしており,失踪した父を探して旅立つことになる。

 プレイヤーは,リンを操作してさまざまなキャラクターたちと出会い,プレイヤーの思うがままに会話をしていき,彼らの問題を知る。やがては平和と戦争のバランスに喘ぐ世界の波に一石を投じていくという。
 本作では,キャラクターのカスタマイズ要素が大きなポイントとなるようで,衣装やアクセサリーでプレイヤー好みのキャラクターにデザインできる。リンのステータスは,「知性」「勇気」「共感性」「ユーモア」「幸運」というように,普通のRPGではあまり見ない項目も存在しているのも目を引く。
 エンディングは32種も存在し,プレイヤーが取った行動によって変化していくようだ


 Steel Seed」と「Sky of Tides」は,現在Steamでプレイアブルデモが公開中だ。製品版はインタフェースとテキストが日本語化されるとのことなので,プレイしてみて,気に入ったら,ウィッシュリストに追加しておくと良いだろう。


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