Torn Banner Studiosが,gamescom 2024のOpening Night Liveに合わせて,Co-op型ゾンビアクションゲーム「No More Room in Hell 2」の最新トレイラーを公開したので,同社のブースを訪ねてみた。



 前作にあたる「No More Room in Hell」は,元々は著名なゲーム企業に勤めながらも,余暇にコツコツとゲーム作りをしていたクリエイターのMatt Kazan(マット・カザン)氏が中心となって,ValveのSource Engineを使って開発が進められていたプロジェクトだ。2011年に「Half-Life 2」のModとしてローンチされたあと,さらにSteam Greenlightによってスタンドアローンのタイトルとして2013年に無料リリースされた。
 以降は有志によって細かいアップデートが繰り返されており,Steamでのレビュースコアは,89%が好評という高評価となっている。


 続編である「No More Room in Hell 2」は,Kazan氏が設立したトロントのLever Gamesを,「Chivalry」シリーズなどメレーコンバットに卓越したノウハウを持つTorn Banner Studiosが買収して開発を進めていたプロジェクトだ。


 ゲームエンジンがUnreal Engine 5に変更されたので雰囲気は前作と異なるものの,8人まで参加可能な「Left 4 Dead」風のCo-opアクションなのは変わらない。ただ本作に登場するゾンビ達は,ジョージ・ロメロ監督の映画「リビングデッド」シリーズの影響を受けたようなモタモタとした動きなので,俊敏な「Left 4 Dead」のゾンビとはやや趣を異にする。
 また銃撃で手足がもげたり,横っ腹に大きな穴が空いたままになったりするダメージシステムや,キルされたプレイヤーはリスポーンできないといった,リアルでハードコアな要素を多く採用しているのも特徴といえる。


 Opening Night Liveで公開されたトレイラーは,「No More Room in Hell 2」のメインマップ“Power Plant Map”の中の“Church”と呼ばれるエリアを紹介するものだ。そのほか可燃物質がある病院や,要所になりそうな橋などが確認できたほか,奇声をあげて攻撃するShamblerなる中ボス(?)ゾンビの姿も映し出されている。
 なお本作のマップは自動生成システムによってプレイするたびに変化し,プレイヤーのスタート地点や,ミッションの目標となる地点すらも一様ではない。そんな中を,ステルスとメレーを駆使して進んでいくのである。


 gamescom 2024会場のパブリックエリアにあったTorn Banner Studiosのブースでは,公開されたばかりのトレイラーが流されているのみで,残念ながらプレイアブルデモは公開されていなかった。とはいえ,ブースのスタッフに話を聞いてみたところ,ハロウィン(10月末)に合わせてアーリーアクセス版が公開されるという予定に変更はないようである。

Torn Banner Studiosブースでは,筆者以外にも多くのゲーマーが詰めかけ,スタッフを捕まえて質問を投げかけていた。コアなゲーマーから期待されていることが感じられる

 なお,前作で問題になりかけた“子供ゾンビ”の存在は,これまで公開されたトレイラーをくまなく探しても,今のところ確認できていない。
 念のため説明しておくと,子供ゾンビは“大人ゾンビよりも素早く,当たり判定が小さい”という特徴を持った敵キャラクターだ。前作では「ゾンビとはいえ子供に銃を向けるのは忍びない」という声がコミュニティから上がったものの,開発者側は「ゲームシステムにしっかり組み込まれた存在です」という声明を出し,話題を鎮静化させた経緯がある。
 この点についても,Torn Banner Studiosブースで話を聞いてみたのだが……開発メンバーだという彼は,ニヤリとするだけで答えてはくれなかった。Torn Banner Studiosがどれだけ冒険をするつもりかは分からないが,続報に期待したいところだ。
 すでにSteamストアページがオープンしているので,気になる人はウィッシュリストに追加し,アーリーアクセスの開始を待っていよう。

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