2024年8月21日から25日まで,ドイツ・ケルンで開催されたgamescom 2024のXboxブースのインディーゲームコーナーから,シンガポールのSpringloadedが開発する「Let's Build a Dungeon」を紹介しよう。

 本作は,MMORPGを制作するゲーム開発スタジオをテーマとした経営シミュレーションゲームだ。自社タイトルを世界最大級のMMORPGにするため,アーティストやデザイナー,プログラマー,プランナーにテスターなどのスタッフを集めてゲームサービスをより良いものへと発展させていく。


 MMORPGの開発・運営は,ゲーム開発のスケジュール管理や広告キャンペーンの展開,ゲームメディアとの関係の構築などやらなければならないことは盛りだくさんだ。

 ゲームのクオリティを重視し,リスク覚悟で開発期間を伸ばすか。それともスタッフに無理を強いて過酷な長時間労働を行い間に合わせるか。コミュニティの声を反映するのか,開発側のクリエイティビティを信じて我が道をいくかなど,ゲーム内の決断もリアルを感じさせる。

 投資家の気分次第で自分の首が……なんてこともあるらしいが,何はともあれプレイヤーが月額プランを継続して遊びたいと思えるゲームを作るのだ。


 面白いのが,ゲーム内のMMORPGの世界を自分自身で構築できること。ダンジョン攻略を重視したコアな戦闘を楽しめるゲームにするか,それとも生活や交流をメインとしたほのぼの暮らしのゲームにするかという選択もできるという。
 大事なのがバランス調整とバグフィックスだ。ゲームのプレイヤーの集まり具合は可視化されるので,これを確認し敵の強さや組み合わせを見直し,テスターたちに細かいバグを潰してもらう。作ったダンジョンは自分でもプレイできるので,プレイヤー自身がゲームの世界でそれを行うことも可能だ。


 リリース予定日は未定ではあるものの,ユーザーインタフェースと字幕の日本語対応は行われるようだ。ゲーム開発がテーマのゲームは数あれど,MMORPGの開発と運営をテーマにしたタイトルは珍しいと思うので,今後のさらなる展開も気になるところだ。
 また,ゲームのジャンル的に短い試遊時間では,体験できる範囲が限られるので,デモ版の配信にも期待したい。



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