2024年8月現在,新作FPS「Delta Force: Hawk Ops」(PC / PS5 / Xbox Series X|S / iOS / Android)のアルファテストを実施しているTiMi Studio Groupの開発チーム“Team Jade”に,gamescom 2024会場でインタビューすることができた。

 お相手はエクゼクティブ・プロデューサーのレオ・ヤオ(Leo Yao)氏と,ディレクターのシャドウ(Shadow)氏だ。

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[2024/07/27 15:50]
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 「Delta Force: Hawk Ops」は基本プレイ無料でサービスされるタクティカルFPSだ。

 成り立ちとしては,1998年にNovaLogicというメーカーが第1作「Delta Force」を開発して以降,2009年の「Delta Force Xtreme 2」まで9作のシリーズ作品が公開されながらも,オリジナル開発チームの廃業に伴いこの15年は新作がリリースされてこなかった。
 そのIPをTiMi Studio Groupが獲得し,すでに「Call of Duty Mobile」で実績のあった内部スタジオのTeam Jadeが開発してきたわけだ。

 gamescom 2024でアナウンスされたのは,2024年第4四半期(10月〜12月中)にアーリーアクセス版がローンチされること,そして10月開催のSteam Nextフェスに合わせて,Steamでのアーリーアクセス前夜祭としてプレイアブルデモが公開されるということだ。

 ストアページではすでに100万件を超えるウィッシュリストを獲得しており,アルファ版もすでに多くの人たちが体験していることを考えると,アーリーアクセスの人気もかなりのものになると思われる。
 以下,「Delta Force: Hawk Ops」の未来を見据えるヤオ氏とシャドウ氏にうかがったインタビューをお読みいただきたい。

左から,Team Jadeのスタジオヘッドでありエクゼクティブ・プロデューサーのレオ・ヤオ氏と,ゲームディレクターのシャドウ氏。シャドウ氏はかつてはプロゲーマーとして名を馳せたことがあるという

4Gamer:
 「Delta Force: Hawk Ops」のアルファテストが好調とのことですが。

レオ・ヤオ氏(以下,ヤオ氏):
 そうですね。とても反響がよくて,我々も手応えを感じています。多くの人がゲームの質の高さに触れてくれていて,仕上がりに近いバージョンだと考えている人もいるようですが,実際はそうでもなく,まだまだこれからブラッシュアップしていく段階です。
 また,ストリーマーさんに取り上げてもらえることも多く,私が把握している限りで600人の人たちとコンタクトできました。日本の著名な方々にも話題にしてもらえたことは光栄に思っています。

4Gamer:
 アルファテストで学んだことはありますか。

ヤオ氏:
 本作では現状,エクストラクションモード「Hazard Operations / 危険なミッション」と,大規模チーム対戦「Havoc Warfare / 全面戦争」の2種類をフィーチャーしてきました。
 これまで中国国内ではしばらくテストを続けてきましたが,驚いたのは「中国ゲーマーはチーム対戦を好んで遊ぶ」「欧米ゲーマーはPvPを楽しんでいる人が多い」ということでした。


4Gamer:
 それは想定されていなかった動向なのですか?

ヤオ氏:
 ええ。でも考えてみると,欧米では過去20年にわたり「Call of Duty」や「Battlefield」といったFPSがトレンドのメインストリームでした。そのため,現代人気の高いエッセンスを取り入れたゲームモードが支持されているのかなと考えています。
 一方,中国では昔からFPS人気がそれほど高くはありませんでしたが,「Delta Force」シリーズに関しては昔遊んでいたゲーマーが多かったので,大規模なチーム対戦に回帰している人が多いのだと思われます。こうした下地の違いが,モードの好みを分けたのでしょう。

4Gamer:
 ビジネスとして考えた場合,どちらかに人気や開発リソースが偏りかねない状況を改善しようとはされますか?

ヤオ氏:
 難しいところではありますが,つまるところDelta Force: Hawk Opsの魅力を感じてもらえればいいですし,そのためにキャンペーンモードを含めて複数の遊び方を提供するので,まずは現状で進めます。
 もちろん,より多くの人たちに隅々まで楽しんでもらうための試行錯誤は,今後も,そしてローンチ後も続けていく予定です。


4Gamer:
 本作はF2Pということで,さまざまな層のゲーマーが参加するはずですが,メインターゲットはコア層としているのでしょうか。

シャドウ氏:
 当初からコア層をターゲットにするということはありません。オンラインPvPやガンスミス機能などに慣れていない人には,確かに学習の時間が必要なデザインですが,どんな遊び方にも対応できるよう調整していきますので,とりあえずプレイしてみてほしいです。

4Gamer:
 ゲームマップはわりとオープンな中東世界ですが,Hazard OperationsとHavoc Warfareではデザインがかなり異なりますよね。


シャドウ氏:
 そうですね。Hazard Operationsに関してはとくにサイズ面を加味したマップデザインを心がけました。スローペースでバトルが進展していくぶん,イベントやゲーム体験,例えばシークレットをあちこちに散りばめていくといったチューンアップを随所に盛り込んでいます。
 Havoc Warfareについては,1つ1つのマップに色濃くアイデンティティを設定しています。フラットな砂漠風景のマップから,バンテージポイントとして使える岩山や建物があるマップ。いくつかは過去作のオマージュとしてリメイクしたものもあります。
 マップが広いほどデザイン面で遊べる空間も多いので,遠距離から至近距離まで多面的なバトルを楽しめるよう工夫しています。

4Gamer:
 お話を聞いていると,キャンペーンモードを含めて3つの異なるゲームを作っているようなもんですよね(笑)。

シャドウ氏:
 そのとおりで(笑),3つのゲームを作っている気分です。
 本作はローンチ後,何年にもわたる長期運営でゲーマーの皆さんにプレイし続けてもらいたいと考えています。まずは我々の強みであるF2Pのサービスやマルチプレイモードのデザインを優先していますが,時間経過とともに異なる角度から自由に遊んでいただければ本望です。


4Gamer:
 ディレクターとして,プロジェクトで苦労したことはなんでしょう。

シャドウ氏:
 そうですねえ。開発がはじまったころは銃器のハンドリングやカスタマイズ機能を優先して,そこからビルトアップしていく手法を取っていたのですが,それがうまくいかなかったことでしょうか。
 マルチプレイではなにが求められるのか。対してシングルプレイ用のキャンペーンは必要なのか。そして本作をさまざまな観点からプレイされるプレイヤーの皆さんの旅路を,どのようにサポートできるのか。いろいろと協議を重ねたことを思い出せます。
 先ほど3つのゲームを作っている気分だと言いましたが,まさに“異なるゲーム性の3つの柱を,どのようにして1つにまとめられるか”という部分に,けっこうな労力を使ってきた気がします。

4Gamer:
 ヤオさんは海外メディアで「今はお金を稼ぐことに集中していない」というようなことをおっしゃってましたが,それでもF2Pの戦略は成功するとお考えでしょうか?

ヤオ氏:
 そうだと願っています。我々はF2Pという形で,以降のコンシューマ版も含めて,より多くのプレイヤーに「Delta Force: Hawk Ops」の楽しさを理解していただければと考えています。おそらく今冬にはキャンペーンモードに関する具体的な情報もお伝えできると思いますよ。

Delta Force Game公式Xより転載

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