2024年8月16日〜18日に韓国釜山で開催されたインディーゲームイベント「Busan Indie Connect Festival 2024」に,いわゆる横スクロールのランアクションと音楽ゲームが合わさった「Nientum - Opus Zero」というタイトルが出展されていた。

 本作はQueseraGamesが制作するタイトルだ。スマートフォンで展開され,8月15日にSteam版の早期アクセスが始まったばかりの「KALPA: Cosmic Symphony」(iOS / Android / PC)の開発元だと言えば,知っている読者もいるだろう。CEOのJea Hyun Park氏によると,「KALPAは難度が高めだったので,逆に低いものを出したかった」そうだ。


 本作では,演劇を完成させないと劇場から出られなくなった少女を助けるために,主人公とともに演劇の完成を目指すという物語が展開される。ステージ中はキャラクター達が演劇を繰り広げているのだが,これがまた可愛らしくて楽しめる。ただ,そちらを気にしていると,肝心のゲーム部分で失敗してしまうのが,音ゲーあるあるでもどかしい。


 音ゲーと言っても,キャラクターが横スクロールで画面を走っていくタイプで,線に沿ってノーツが流れてくるといったことはなく,フィールドに配置された赤と青のオブジェクトを,BGMに合わせて2つのキーで攻撃する……といったアクションゲームのように進行する。操作は,同時押しなどはあるものの,2つキーで完結するので前述のとおり難度は低めだ。


 ただ,ステージが進めばテンポの速い楽曲も出てくるし,場合によってはキャラクターが右に左に,上に下にとフィールドを駆け回りながら戦うこともある。そうすると,次に攻撃するオブジェクトを見失ってしまうことも起こる。とくに左右の変化は慣れないうちは目が追いつかないかもしれない。
 とはいえ,次に攻撃すべきオブジェクトはタイミングが分かるようにエフェクトが入るので,落ち着いて広い視野で先を見ていけばどうにかなるのは,一般的な音ゲーと変わらないだろう。

 採用された楽曲はやはり演劇調のものが多く,場面によってコミカルで楽しいものになるのだが,中には日本語のボーカル入り楽曲も採用されている。実は本作,韓国のゲームでありながら,そもそも日本語のフルボイスがメインとなっている。ゲームとしてのデフォルト設定は,韓国語UIと韓国語字幕ではあるだろうが,もちろん日本語UI/字幕でのプレイも可能だ。
 そうだとしても,全編を通して楽曲も含めて日本語の曲・ボイスで物語が展開していくというのは少し驚かされた。

ボーカロイドの楽曲も? と思いきや,韓国のVTuberがボーカロイド風に歌っているという楽曲だったらしい。分からなかった……

 なお,本作には物語が展開していくメインストーリーモードのほか,自由にステージ(楽曲)を選べるフリーモードも存在するとのこと。言語設定でステージのBGMが変化する仕組みも用意されているようで,そこで各国向けの楽曲が遊べるといった感じになるのだろう。

 気になるボリュームは,メインストーリーは1チャプターに4〜5ステージ,計12チャプターが用意されているということで,けっこうな遊びごたえになりそうだ。

 Jea氏によれば,今年10月にデモ版を出す予定で,リリースは2025年半ばになるとのこと。なお,開発がうまくいけば年末にアーリーアクセスを開始できるかもしれないとも話していた。また,フリーモードへ楽曲を追加したり,ゲームとのコラボしたりといったDLCも検討しているとのことだ。



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