台湾時間6月3日,ASUSTeK Computer(以下,ASUS)は,「COMPUTEX 2024」に合わせてゲーマー向け製品ブランド「Republic of Gamers」(以下,ROG)関連の新製品を発表した。とくに注目に値する製品を簡単に紹介しよう。


Ryzen AI 300搭載のゲーマー向けノートPC「ROG Zephyrus G16」


 ASUSのゲーマー向け薄型ノートPCの「ROG Zephyrus」シリーズでは,16インチモデル「ROG Zephyrus G16」に,AMDの新プロセッサ「AMD Ryzen AI 9 HX370」を搭載するモデルが加わる。

ROG Zephyrus G16のAMDモデル

 すでに販売中のROG Zephyrus 2024年モデルの場合,14インチモデルの「ROG Zephyrus G14」は,AMDの「Ryzen 8000」シリーズを,16インチモデルのG16は「Intelの「Core Ultra」搭載と,サイズによってプロセッサが分かれていた。その16インチモデルに,AMDの選択肢が加わる形だ。

 詳報については,AMDの基調講演記事を参照してほしいが,Ryzen AI 9 HX370は,内蔵するNPUの演算性能が50 TOPSに達しており,Microsoftの提唱するAI対応PC「Copilot+ PC」の基準を満たす。なお,本製品におけるCopilot+ PCの機能は,発売後のアップデートで提供されるそうだ。

基本的なスペックは既存のG16と同一だが,キーボードにはCopilotキーが加わった

ゲーム用途でのメリットは,まだ不透明ではあるものの,Copilot+ PCであることをアピールしていた

 CPU以外の基本的なスペックは,既存のG16と同様で,GPUにはノートPC向けの「GeForce RTX 4070 Laptop GPU」を搭載して重量約1.85Kgのゲーマー向け薄型ノートPCである。

左右のインタフェースは,IntelモデルのG16と同様である


ゲーマー向け周辺機器の最上位ブランド「ROG Extreme」


 ゲーマー向け周辺機器は,キーボード,マウス,ヘッドセットの3製品が発表となった。なかでもキーボードとマウスは,「ROG Extreme」シリーズという,最上位に位置づけられる製品群となる。
 まずキーボードでは,2023年発売の「ROG Azoth」の上位モデルになる「ROG Azoth Extreme」が登場した。

ROG Extremeシリーズのキーボード「ROG Azoth Extreme」(左)と,マウス「ROG Harpe Ace Extreme」(右)

 ROG Azoth Extremeは,アルミニウム削り出しのフレームにカーボンファイバーのポジショニングプレートを組み合わせた重厚感のあるキーボードだ。高級キーボードならではの打ち心地をゲーマー向けキーボードで実現する。キーボード内に設置したシリコンパッドの有無や,底面のスイッチで変更できるガスケットの設定などで,キータッチだけでなく底打ちの感触も調整できるという。

外観は右上にある小型ディスプレイがカラーになったほか,[Space]キー列に[Copilot]キーが加わるといった違いがある

ROG Azoth Extremeを構成するパーツ群。既存モデル以上の重厚感だ。内部へのアクセスも可能で,シリコンパッドを付ける,付けないで打鍵感が変わる

底面にはUSBワイヤレスアダプタが収納できるほか,その右に見えるスライドスイッチで,ガスケットの設定を調整できる
 PCとの接続は,USBによるワイヤード接続とBluetoothのほか,2.4GHz帯を使う独自ワイヤレス接続というゲーマー向けワイヤレスキーボードならではの定番構成だ。独自接続用のUSBワイヤレスアダプタUSBワイヤレスアダプタ「ポーリングレートブースター」は,レポートレート(ポーリングレート)が最大8KHzなのも特徴である。

マグネットで着脱できる脚も付属(左)。右写真は底面で,丸い部分に脚部品を装着できる

 ポーリングレートブースターは,同時に発表となったマウス「ROG Harpe Ace Extreme」にも対応する。

ROG Harpe Ace Extreme。カーボンファイバーを採用して,肉抜きすることなく47gという軽量化を実現した

ROG Harpe Ace Extremeの主な特徴を示したパネル

ポーリングレートブースターは,既存のROG製品の一部にも対応する

 ROG Harpe Ace Extremeは,軽くて強度もあるカーボンファイバー製の外装を採用することで,約47gという軽量化を実現したのが最大の特徴だ。ソール部分に,Corning製の化学強化ガラス「Gorilla Glass 3」を採用して,耐久性とスムーズさを両立させたのも見どころである。

ソールにはGorilla Glass 3を採用。耐久性とスムーズな操作を両立させる

 ヘッドセットの新製品は,「ROG Delta II」だ。直径50mmのチタニウム製振動板をドライバーに採用するのが特徴である。

ROG Delta II。イヤーパッドは2種類が付属する

 2.4GHzワイヤレス接続での低遅延と,最大110時間のバッテリー駆動時間も特徴だ。また,着脱可能なブームマイクも,従来製品の8mmサイズから,10mmへと大型化したことで,広域にわたって集音力が向上したという。

ドライバーはチタニウム製の50mmドライバー。フラットな特性でオーディオ再生にも向くという

装着時は底面に位置するインタフェース類。ヘッドフォン音量とマイク音量で別々の音量調整ダイヤルがある



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