ガス給湯器のリンナイが9日発表した2024年3月期の連結決算は、純利益が前の期比2%増の266億円だった。為替が円安に進行したことで、為替差益が発生した。給湯器などでの価格改定も進んだ。世界的な物価高に伴う在庫調整などの影響はあったが、円安効果で補った。

売上高は1%増の4301億円だった。地域別では米国での売上高が4%増えた。海運や陸運の混乱もあって上期を中心に販売が不振だったが、円安による為替換算効果が売上高を押し上げた。日本は2%の減収だった。在庫調整に伴う販売減が響いた。

25年3月期の連結業績は、売上高が前期比5%増の4500億円、純利益が6%増の283億円を見込む。内藤弘康社長は記者会見で、「今期は前期にあった在庫調整の影響がなくなる。前期に実施した価格転嫁もほぼ100%浸透した」と話した。

25年3月期の年間配当は80円と20円増やす。今期の連結配当性向は40%と、前期(32.5%)から引き上げる見通しだ。100億円を上限とする自社株買いも発表した。内藤社長は「配当性向は30%台では不足気味で、機関投資家はもっと高いところを要求している。資本効率の改善は経営の課題と認識している」と述べた。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。