東宝は23日、同社が配給した映画作品の1〜12月の興行収入が過去最高の910億〜920億円になりそうだと発表した。「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」の興収が150億円を超えるなど人気アニメシリーズ作品が好調だったほか、実写映画でも「ラストマイル」や「変な家」など50億円を超える大ヒット作があった。
同日開催した2025年の配給作品ラインアップ発表会で明らかにした。23年の774億円に比べ、18%前後増加する。従来の過去最高は「君の名は。」と「シン・ゴジラ」を配給した2016年の854億円だった。
国内映画業界全体の24年の興行収入は前年より1割程度低い2000億円程度を見込むとしたが「東宝の上位6作品だけで25%を占める計算だ。洋画の配給が減るなか、安定した水準の作品を配給できた」(吉田充孝執行役員)。
東宝の23年12月〜24年11月の配給作品数は24年から立ち上げた新レーベル「TOHO NEXT」を含めて計42本で、うち19本がヒットの目安とされる10億円を超えた。
同日、細田守監督の4年ぶりとなる新作アニメ映画「果てしなきスカーレット」を25年冬に公開すると発表した。国内配給を東宝が、海外配給をソニー・ピクチャーズ エンタテインメントがそれぞれ担う。
東宝は25年に「名探偵コナン」や「鬼滅の刃」といった人気アニメの新作映画の配給も予定しており、吉田執行役員は「アニメでは年に1本あるかという大作が3作品もある。さらに実写映画もどこまで伸びるか期待したい」と話した。
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