調剤薬局などを手がけるメディカル一光グループは20日、傘下のメディカル一光(津市)が医薬品卸の静岡沢井薬品(静岡県沼津市)の完全子会社化に向けて協議を始めると発表した。メディカル一光グループの2025年2月期のM&A(合併・買収)案件は7件と、単年度としては04年の上場以来最多となる。規模を拡大し競争力を高める。

メディカル一光は主に沢井製薬の後発薬(ジェネリック医薬品)を取り扱う販売代理店として最大規模。静岡沢井薬品の24年7月期の売上高は30億円で、詳細な資産査定を経て25年3月にも全株式を取得する予定だ。買収協議中だった京葉沢井薬品(千葉県芝山町)の全株取得も決めた。いずれも従業員はそのまま引き継ぐ。

すでに買収した若松薬品(高松市)と佐藤薬品販売(埼玉県川口市)はメディカル一光が25年3月に吸収合併する予定。規模拡大と組織体制の見直しを組み合わせてコストを抑制する。

医薬品業界の事業環境は厳しい。国が定める薬の公定価格(薬価)が下落傾向にある一方、後発薬の供給不足などを背景に仕入れ価格は上がっている。メディカル一光グループは豊富な手元資金をM&Aなどの成長投資に充てる。

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