「多角的レビュー」は、日本がデフレに陥った1990年代後半からの25年間の金融政策について、日銀が効果や副作用を分析したもので、19日に公表しました。

このうち、2013年以降に行われたマイナス金利政策や、日銀が大量の国債を買い入れるなどした異例の金融政策、いわゆる『非伝統的な金融政策手段』は、
▽経済や物価を押し上げる効果を発揮した一方、
▽2%の物価安定を2年程度で実現するという目標に対しては、「想定していたほどの効果は発揮しなかった」と評価しました。

また、
▽金融市場の機能低下や
▽金融機関の収益の悪化などの副作用があったと指摘したうえで、
▽金利上昇に対応できる力が十分ではない企業や個人もみられるなど、
マイナスの影響が今後、大きくなる可能性に注意すべきだと指摘しました。

植田総裁は、金融政策決定会合のあとの会見で、今後の政策運営について「今回の多角的レビューで検討した副作用や金融政策手段を採用する時の経済・金融情勢にあわせて、入念に点検して採用していくことになる」と述べました。

日銀は、賃上げに向けた動きが鮮明になるかを見極めたうえで、追加の利上げを目指す方針ですが、副作用の影響にも目配りしながら政策を運営することになります。

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