日銀は19日の金融政策決定会合で利上げを見送り、物価や景気のコントロールに使う政策金利を0.25%程度で維持した。トランプ次期米政権の政策は不確実性が高く、来年の春闘の賃上げ動向を注視する必要もあると判断した。植田和男総裁は記者会見で、来年1月の会合で利上げを決めるかどうかは「総合判断にならざるを得ない」と述べた。外国為替市場の円相場は、日銀が利上げに慎重との見方から対ドルで前日と比べ3円超急落し、一時1ドル=157円台を付けた。
日銀の決定に先立ち米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は利下げを決めたが、そのペースは鈍化する見通しとなった。為替の取引材料となっている日米の長期金利の差は、なかなか縮まらないとの観測が強まった。
日銀の利上げ見送りを巡っては政策委員9人のうち8人が賛成、田村直樹審議委員は反対した。田村氏は物価の上振れリスクが大きいとして0.5%程度に利上げする議案を提出したが、反対多数で否決された。
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