地表から材料の密度を計測する機器を車両でけん引する

鹿島は19日、ダム工事で土砂や砂利などの材料が十分に締め固められているか確認する作業を効率化したと発表した。地表から材料の密度を計測する機器を車両でけん引し、品質管理の人手を3分の1に減らす。数年内に自動運転技術を組み合わせて無人化を目指す。作業員の人手不足に対応する。

材料を締め固めた地中に計測機器から電流を流し、流れやすさを基に材料の密度を算出する仕組みを確立した。締め固め作業の品質は構造物の強度に関わるため、従来は3人一組で地中に穴をあけ、重い計測機器を運んで設置する作業を1日に何度も繰り返していた。

計測機器をけん引する車両がくまなく走ることで、構造物全体の密度を把握できる。秋田県東成瀬村で施工中の成瀬ダムで2022年から検証を重ね、従来手法と同水準の精度を確保。24年度に本格導入して従来手法を代替した。造成工事への導入も目指す。

ダム工事で材料を締め固める作業には大型重機を使う。狭い工事現場では作業区画を分けて品質管理を進める必要があった。「重機や計測車両を自動運転で運用すれば工事と品質管理を一度に進められ、安全確保と生産性向上につながる」(鹿島の担当者)という。

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