リニア中央新幹線の静岡工区を巡り水資源などへの影響を議論する静岡県の専門部会が17日に県庁で開かれた。JR東海側は12月に一旦終了したボーリング(掘削)調査を先進坑工事に切り替え2025年1月にも始める考えを示した。建設で出る盛り土の最大の置き場の立地についても改めて説明し部会の委員が了承した。
ボーリングは山梨側の地点で穴が崩れ終了した。JR東海は経緯や原因を説明。委員や県はより迅速な情報共有を求めた。同社はトンネル本体と並行する先進坑を掘り進めたい考えで早ければ1月に始める。東京都町田市など他の工区で地下水位の低下などが起きた問題については静岡と工法などが異なるとした。
盛り土に関しては県がJR東海と対話が必要としてまとめた28項目のうち5項目。このうち候補地の一つで最も規模が大きい静岡市葵区の通称「ツバクロ」を巡り、委員側が懸念を示していた地震で盛り土の周囲が崩壊する可能性などについて議論が進んだ。
ツバクロ直下の断層は活断層ではないとの見解が示されるなど、県や委員が求めていた項目の説明が認められツバクロの立地については議論が終わった。対話中か未着手の残る4項目のうち次回以降は盛り土の設計などを話し合う。
ツバクロを巡っては川勝平太前知事が1000年単位のリスク管理が必要として置き場自体の再選定を求めるなど議論が進んでいなかった。立地については決着したが自然由来の重金属を含むため特別な対策が必要な盛り土などについては議論が残る。
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