兵機海運と大和工業は17日、資本・業務提携に向けた覚書を締結すると発表した。兵機海運は大和工業グループから国内で生産する鋼材の海上輸送などを請け負っており、両社で物流の安定化や効率化などに取り組む。大和工業グループは9月末で兵機海運株の約1%を保有しており、追加取得についても検討するという。

両社は10月31日に資本・業務提携の協議を始めると発表し、今回、覚書の締結を決めた。今後も資本業務提携契約の締結に向けて協議を続けるが、締結時期は未定としている。原則月1回のペースで「進捗管理会議」を開き、提携の実現に向けた協議を具体的に進めるとしている。大和工業は兵機海運株の追加取得について「可能性の一つとして検討する」とコメントした。

兵機海運株を巡っては、富洋海運(大阪市)の子会社である堂島汽船(大阪市)が10月18日からTOB(株式公開買い付け)を実施した。堂島汽船側が兵機海運との資本業務提携を求めるとしたのに対し、兵機海運はTOBへの反対意見を表明した経緯がある。

堂島汽船はTOBでは1株3250円で兵機海運の発行済み株式の20%弱にあたる21万3300株を上限に取得を目指したが、12月5日までのTOB期間中の取得は1%強(1万4854株)にとどまった。堂島汽船はTOB終了後も株式市場内で兵機海運株を買い増しており、16日に堂島汽船が近畿財務局に提出した変更報告書によると、親会社の富洋海運と合わせ、兵機海運株の7%強(9万54株)を保有している。

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