三菱ケミカルグループは12日、傘下の子会社で社長職や執行役員職を復活させると発表した。同社は持ち株会社制だが、2022年4月から事業会社に社長を置かず三菱ケミGが意思決定を担う仕組みに変えていた。3年間で方針転換し、25年4月からは事業会社に社長職を設け、それぞれの事業会社が経営にあたる仕組みにする。
三菱ケミGはジョンマーク・ギルソン前社長のもと、組織の階層やグループ企業の多さが課題だと捉えた。持ち株会社や事業会社ごとに経営していた体制からグループでの一体運営に変更していた。
権限や責任を集中することで迅速な意思決定などを目指したが、事業会社の主体性が阻害されたと判断した。今後は三菱ケミGはグループ全体の戦略策定などを担い、各事業会社への権限や責任移譲を進める。
化学関連の子会社の三菱ケミカルの社長は三菱ケミGの社長でもある筑本学氏が兼務し、医薬品子会社の田辺三菱製薬には現在三菱ケミGの医薬担当の辻村明広執行役副社長がつく。50%超を出資する上場子会社の日本酸素ホールディングスについては22年以降も組織体制変更の対象とはならず社長職は廃止していない。
三菱ケミGでは4月に新たに筑本学社長が就任し、役員体制も刷新している。11月に発表した新中期経営計画では化学回帰を鮮明にし、前体制からの方針や体制の転換も含め構造改革などを進める。
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