鴻池組は12日、橋脚の表面を削って処理する作業を自動化するロボットを開発したと発表した。道路の耐震補強工事で足場を組んで行っていた高所での作業をロボで代替し、安全性や生産性の向上につなげる。1日で施工できる面積も人手に比べて6割増える。2025年度中に工事現場での導入を始める見通しだ。
インフラ点検ロボを手がけるイクシス(川崎市)と共同で約3年間をかけて開発した。橋脚の四方を囲むように昇降するフレームを取り付け、ロボがレール上を左右に移動しながら空気圧でアルミナの粉末を吹き付けて表面を削る。
高さ15メートルまで対応でき、柱の4つの面のうち2つの面を同時に削ることが可能になる。昇降装置にはカメラやセンサーを搭載しており、自律運転に加えて遠隔制御が可能だ。
高速道路などの橋脚の耐震化工事では、鉄筋とコンクリートを既存の橋脚の周囲に追加で打ち込んで補強することが多い。こうした工事では施工前に橋脚の表面を削って滑らかにすることが求められるが、従来は高所で人力による作業が行われてきた。
今回のロボでは1日当たり160平方メートルの表面を処理でき、高さ15メートルの橋脚の場合は2日弱で作業を終えられるという。人手では100平方メートル程度の施工能力が一般的だった。一定の速度で移動して表面を削るためムラのない安定した品質を確保しやすくなる。
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