花王は主力の日焼け止め「ビオレUV」の新商品を発売すると発表した。既存品にはなかった肌に低刺激な紫外線防御剤を使い、日光に対して高い防御機能を実現する独自の配合技術を採用した。日焼け止めの使用が夏だけでなく通年で習慣化しつつあるなか、肌への影響を最小限にすることにこだわった。2025年2月8日から全国のドラッグストアなどで販売する。
商品名は「ビオレUV アクアリッチ ウォータリーホールドクリーム」。本体は50グラムで店舗想定価格は1400円。塗り広げると肌に厚みのある紫外線防御膜を生み出し、夕方までみずみずしさが持続する。「水肌記憶UV」とうたう。
最大の特長は肌への刺激を抑えつつ、高い紫外線防御機能を両立させた点だ。従来は主流の水をベースにした日焼け止めに、より低刺激な防御剤である紫外線散乱剤を配合するとなじみが悪かった。新技術では水になじみやすいカプセルに閉じ込めて配合することで、従来品にはない性能の高さを実現したという。
従来品には配合しやすい紫外線吸収剤という防御剤を使っているが、まれに肌に合わない人もいた。日焼け止めを使う人が増えた背景から消費者が「低刺激」「紫外線吸収剤フリー」といった点を重視していると分かり、肌への配慮にこだわった。
花王は21年からビオレUVの商品でテスト販売を通じたマーケティング手法を活用している。日焼け止め市場は気候などの外部要因による変化が激しいため、全国販売に先がけたテスト販売が鍵になる。今回の新商品も24年3月から一部の店舗で先行販売し、顧客の感想をもとに香りや容器のサイズ、ふたの開く向きなどの改良につなげた。
花王は27年までに国内の日焼け止め市場で25%超のシェア獲得を目標に掲げている。
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