日本酒「獺祭」の蔵元である旭酒造(山口県岩国市)は11日、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」で酒造りに挑戦すると発表した。2025年中に原料となるコメや麹(こうじ)、酵母などを打ち上げ、宇宙空間で発酵させたうえで地球に持ち帰る。将来的に月面などでの暮らしが実現することを見据え、ノウハウの蓄積につなげる。
きぼうで発酵させた醪(もろみ)約520グラムを地球に持ち帰り、絞って清酒に仕上げる。その後の分析などに必要な量を除き、100ミリリットル分を瓶詰めする。「獺祭MOON―宇宙醸造」として1億円で販売し、全額を日本の宇宙事業に寄付する計画だ。
旭酒造は将来的に月面での獺祭づくりをめざしている。このため、きぼうでは月と同様に地球上の6分の1の重力下で醸造装置を稼働させる。
同社によると、宇宙空間で日本酒を醸造するのは世界的にも初の試みという。「将来的には地球から送ったコメと、月にあるとされる水を使って酒造りに取り組む」(同社)としている。
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