ビール大手4社は10日、製造工程で出る温暖化ガスを約4割減らしたアルミ缶の蓋を一部商品に採用すると発表した。原料のアルミ新地金は生産時に大量の電気を消費するため、高い環境負荷が課題だった。2025年2月から順次導入し、流通量の多いビール缶の環境対応を業界全体で進める。
アサヒビール、キリンビール、サッポロビール、サントリーがビール類商品で一部導入する。4社が共通の低環境負荷素材を使うのは初めて。ビール類以外への採用拡大も検討する。
導入するのは、東洋製缶グループホールディングス傘下の東洋製缶と素材大手のUACJが共同開発した次世代の飲料缶用の蓋「EcoEnd(エコエンド)」。原料鉱石のボーキサイトを製錬して純度を高めた新地金の使用量を41%減らし、温暖化ガス排出の少ないリサイクル原料の割合を75%に高めた。
缶の蓋は高い強度と品質が求められるため、多くの新地金を使う。リサイクル原料の温暖化ガス排出量は新地金の3%程度だが、不純物が多く加工しにくいため使用比率を高めるのが難しかった。両社のアルミ材の成分調整と成形加工の技術を組み合わせ、少ない新地金でも現行の蓋と同等の強度と品質を保てるようにした。
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