洋上風力発電事業の統合で合意し、握手するJERAの可児行夫会長(左)と英BPのオーキンクロスCEO=9日(JERA提供)

 国内発電大手JERA(ジェラ)は9日、英石油大手BPと洋上風力発電事業を統合し、2025年9月末をめどに折半出資で合弁会社をロンドンに設立すると発表した。両社は発電所の新設など開発資金として30年末までに最大58億ドル(約8700億円)を出資。開発中も含めた洋上風力発電の電源保有量は約13ギガワット規模となり、世界4位になる見通しだ。

 JERAとBPは統合により競争力を高め、投資回収を確実に進める考えだ。日本や欧州、オーストラリアで先行する開発案件を推進する。

 JERAは、東京電力フュエル&パワーと中部電力が折半出資する発電会社で、液化天然ガス(LNG)の取扱量は世界有数。再生可能エネルギーの電源保有量を35年度までに現状の約6倍となる20ギガワットに増やす計画を公表している。

 9日夜にオンラインで記者会見したJERAの矢島聡常務執行役員は「統合によって(資金と資材の両面の)調達でも競争力が出てくる。現在開発中の案件全てを運転開始するのは難しいが、より脱炭素に意義がある投資案件を選んでいきたい」と述べた。

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