KDDIは9日、シャープが液晶パネルの生産を終えた工場(堺市)の土地などを取得し、人工知能(AI)向けデータセンターを構築することで同社と基本合意したと発表した。従来はシステム受託開発のデータセクション、米サーバー大手スーパー・マイクロ・コンピューターを合わせた計4社による共同運営を計画していた。
枠組み変更のポイントは、KDDIが同工場の土地、建物、電源設備などを買い取る点にある。財務体質が悪化しているシャープは「売却を通じたアセットライト(資産圧縮)化により、ブランド事業を中心とした事業構造を確立していく」とした。
KDDIはデータセンターに転換する工事を2024年度内に始め、25年度中の本格稼働を目指す。データセクションなどとも「引き続き連携する」とコメントしたが、実質的にはKDDI単独での運営を予定しているようだ。
同工場を巡ってはソフトバンクもAIデータセンターに転用する方向で協議している。土地と設備などをシャープから取得し、単独で運営する方針だ。
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