ダイハツが滋賀工場で稼働したバイオガス実証プラント(9日、滋賀県竜王町)

ダイハツ工業は9日、滋賀県竜王町の工場内に牛ふんを活用したバイオガスの実証プラントを稼働したと公表した。数年後に規模の大きい量産プラントを稼働し、アルミニウムの溶解炉で熱源としての利用を目指す。熱源の約10%を牛ふん由来のバイオガスとする計画で、地域の特産品である近江牛の資源を生かして二酸化炭素(CO2)の排出量を削減する。

ガスを取り出した後の残りかすは地元の近江米など農作物の有機肥料として供給する。井上雅宏社長は同日の記者会見で「地域の資源循環から生まれたバイオガスの活用は地に足の着いた現実的なカーボンニュートラルの取り組みだ」と語った。数年後に滋賀工場で1日当たり20トン規模の牛ふんを処理する量産プラントが成功すれば、他の工場でも同様の取り組みの導入を検討する考えを示した。

11月末に稼働した実証実験のプラントでは1日当たり2トンの牛ふんを投入してバイオガスを生成し、車のエンジンをもとに開発した発電機を通じて工場の電気の一部として活用している。

近江牛のような肉牛は乳牛よりもふんに含まれる水分が少なく、発酵に適したメタン菌の育成や水分との混合などで独自の技術が必要になったという。

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