川崎重工業は使用済みの車載用リチウムイオン電池(LIB)をリサイクルする技術を開発したと発表した。使用済みの電池から純度99.5%以上の炭酸リチウムを回収できる。中国では電気自動車(EV)の普及に伴い車載電池の廃棄量の増加が予想されており、商用化を急ぐ。
川崎重工と中国海螺創業グループ、両社の合弁会社の3社で開発した。中国安徽省蕪湖市に商用規模のリサイクル設備を設けており、1日あたりの廃電池処理量は最大20トンで、一般的なEV約50台分に相当する。4カ月間で廃電池を1300トン以上処理し、安定して運転を継続できることを確かめた。
LIBには、正極材にNCM(二ッケル・コバルト・マンガン)を使うものや、LFP(リン酸鉄リチウム)を用いたものがあり、両方に対応している。中国ではLFP系が主流だが、性質上これまで成分の回収が困難とされていた。独自開発した技術によりLFP系の廃電池から純度99.5%以上の炭酸リチウムを得ることに成功した。
LIBの主要材料であるレアメタルは今後供給不足が懸念されており、リサイクル体制の確立が急務だ。特に中国では2026年以降に廃棄量の急増が予想されている。川崎重工は中国で引き続きリサイクル技術の向上を継続するほか、日本国内での事業化も検討する。
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