TOPPANは石川工場の開所式を開いた(4日、石川県能美市)

TOPPANホールディングス(HD)傘下のTOPPAN(東京・文京)は4日、石川工場(石川県能美市)に約100億円を投資し、テレビ向けの反射防止フィルムの生産を2025年度中に始めると発表した。同工場は有機ELパネル開発を手掛け経営破綻したJOLED(ジェイオーレッド)から23年に買収した。4日に開所式を開いた。

TOPPANはテレビやサイネージに使うフィルムを現在、滋賀県と静岡県の2拠点で生産している。テレビの大型化などで需要が見込めるとみており、石川工場ではより大型の製品もつくる。人工知能(AI)を搭載したサーバーなどの需要を見込み、石川工場では27年度にも次世代半導体パッケージ基板の生産も始める。

TOPPANは反射防止フィルムの製造設備に100億円を投資する

TOPPANHDの25年3月期のエレクトロニクス事業の売上高は前期比1%増の2700億円の見通し。ディスプレー事業では反射防止フィルムがテレビや車載向けに堅調だ。

石川工場はJOLEDの元能美事業所だ。同社は18年、ジャパンディスプレイ(JDI)から産業革新機構を経て同工場を取得したが、韓国や中国勢との競争激化で収益が悪化。23年3月に経営破綻し、生産を終了していた。TOPPANが次世代半導体パッケージ向けに新たな工場立地を模索するなか、JOLEDから持ちかけ売却していた。

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