大分空港(大分県国東市)と大分市を結ぶホーバークラフトの訓練中に起きた事故を国土交通相に報告しなかったなどとして、運航会社の大分第一ホーバードライブの社員ら7人が船員法違反の疑いで書類送検された問題で、同社の小田典史社長が4日に記者会見し「事故として認識しておらず、甘かった」と述べた。
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大分区検は4日までに大分海上保安部から書類送検された社員ら7人を不起訴処分としたが、理由は明らかにしていない。
同社によると、書類送検容疑の事故は、3月2日と21日に大分空港の発着場で起きたもので、2日の事故は船体にも施設にも損傷がなかった。21日の事故は船体に損傷はなかったが、フェンスが倒れた。
小田社長は、2日の事故は「我々に事故という認識がなく、九州運輸局に報告しなかった」とし、21日の事故は「報道発表もしたが、運輸局への事故報告書を提出し忘れた」とした。4月の海上保安部の立ち入り検査で指摘され、5月に運輸局に事故報告書を提出した。
同社は5月29日に事故の報告基準を変更し、軽微な事故も運輸局などに報告するようにした。それ以降の事故はすべて報告しているという。
一方、不定期航路の訓練中は航海日誌と公的機関に見せるための「公用航海日誌」の2つを書く必要があるが、3月中の訓練では公用航海日誌を書いてない。この点も書類送検容疑に含まれている。
小田社長は「我が社はこれまで定期航路しか経験しておらず、不定期航路の訓練中も公用航海日誌を書かなければいけないとの認識がなく、書き損じてしまった」と話した。訂正した公用航海日誌は5月に運輸局に提出した。
11月末から始まった土日の別府湾周遊事業について、小田社長は「いろんなことを是正して安全安心に時間を費やし、今に至っている。その後は運輸局から大きな指摘はなく、安全検査もクリアした」と述べ、続行に支障はないとの考えを示した。
年内就航をめざす空港航路については「現時点でスケジュールの変更はない」としながらも「今回の問題で運輸局の安全検査が遅れ、訓練もとまっている。それがどう影響するかどうか」と話した。
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