和食ブームなどを背景に日本酒の輸出は2010年から22年まで13年連続で過去最高を更新。23年はトップ2の輸出先である中国と米国の減少が響き、14年ぶり対前年マイナスとなったものの、総額410.81億円で10年前の4倍の規模。特に政府が日本酒の海外プロモーションに本腰を入れるようになった2021年から輸出額が急増した。

2023年の主な輸出先は、金額ベースでは中国124.65億円がトップで、米国90.90億円、香港60.23億円が続いた。中国は景気減速や福島第1原発の処理水放出に伴う日本産水産物の輸出停止で日本食レストランが不振に陥ったことなどが影響し、22年比では12%減少したものの、高級酒として富裕層を中心に根強い人気がある。

数量ベースでは、トップの米国は在庫調整やインフレなどの影響で22年比で28.4%減の6502キロリットル。中国の5793キロリットル、韓国4191キロリットルなどが続いた。

1リットル当たりの輸出金額はマカオを筆頭に、高級酒としてのブランディングに成功しているアジア圏の国・地域で2000円以上となっている。

健康的で素材の味わいを活かす日本食に対して世界からの関心は高く、13年に「和食」が無形文化遺産に登録されたことを契機に、海外の日本食レストラン数は急増。和食に合わせて日本酒への関心も高まっている。また、訪日外国人の増加が、新たな日本酒ファンの増加につながっている。

国税庁が、世界の有望都市に「酒類輸出コーディネーター」を配置、商談会の企画や日本産酒類プロモーションセミナーなどを実施するなど、政府を挙げて輸出促進に力を入れている。

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