東証の取引時間延長に伴い場中の決算開示が増えた

今決算では株価の取引終了前に決算を発表する「場中開示」企業の比率が上がった。東京証券取引所が取引終了時間を延長した11月5日以降は、2024年4〜9月期決算を発表した企業の3割強が場中開示した。1年前は2割強だった。開示を前倒しし説明に時間を割くなど投資家目線の対応を進めようとする動きがあった。

東証が取引終了時間を30分延ばし午後3時30分とした11月5日から14日までに決算を発表した1657社を集計した。場中開示は556社と34%で、1年前の決算シーズンの21%を上回った。決算などの情報の市場への早期伝達や発表時間の分散などを通じて株式の取引が活発になるとして、東証は早期開示を求めていた。

企業側でも「早期開示で市場にアクセスする時間が増えたり、開示直後の投資家の反応をみての対応が可能になる」といった声があった。取引終了前の時間帯ごとの発表比率は、午前9時〜午後0時29分が全体の6%弱、午後0時30分〜2時59分が17%弱、午後3時〜3時29分が11%強だった。

一方、取引終了後の開示はなお多い。午後3時30分以降(5時29分まで)の発表は66%だった。終了時間が午後3時だった1年前(午後3時〜5時29分)の79%弱よりは減ったものの、企業からは「決算内容を冷静に見てもらえずに株式を売買されるリスクがある」との声が出ていた。今回は市場の反応をみようと様子見姿勢の企業もあった。

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