北海道大学発スタートアップのHILO(札幌市)は29日、科学技術振興機構(JST)などを引受先とする第三者割当増資で1億5000万円を調達したと発表した。がん細胞を狙い撃ちすることで副作用を抑えることができる分子標的薬について、がん患者が服用する前に効果の有無を判定する「光診断薬」の研究開発費用などに充てる。

HILOは肺がんや膵臓(すいぞう)がん、慢性骨髄性白血病に対する光診断薬を開発している。慢性骨髄性白血病の患者の検体を用いた臨床開発も進めており、今後は臨床検査のための薬事承認の取得を目指す。研究開発段階での実績を重ねて、製薬会社などとの共同研究につなげる狙いがある。

HILOの光診断薬技術は、がん患者が分子標的薬を飲み始める前から患者個人に適した薬の種類や量を判定することができるという。患者にとっては自らに適していない分子標的薬を飲み続けることによる経済的な負担や、副作用による体力的な苦痛を減らせるメリットがあるとしている。

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