九州電力は28日、2025年度から全ての法人向けと一部の家庭向けの電気料金プランを変更すると発表した。電化の普及などで夜間の電力需要が高まっている。火力発電の稼働増などで夜間の電力調達費用が上昇した分を電力量料金に反映する。さらに法人向けでは卸電力市場の価格変動を反映しやすい料金体系にする。
法人向けでは全ての電力量料金を見直す。25年4月以降の契約更改に合わせて適用する。業務用A、産業用Aプランではそれぞれ従来より1キロワット時あたり1.13円引き上げる。時間帯や季節によって電気料金が変わるプランでは夜間のみ3.1円高くする。
合わせて卸電力市場の価格に応じて電気料金を変更する市場価格調整も見直す。これまでは市場価格が1キロワット時あたり6円から13円の間では調整していなかった。今後は基準市場価格を8.22円に設定し、基準を上回った場合には料金を引き上げ、下回った場合には料金を引き下げる。事業者にとっては電気料金が変動しやすくなる。
例えば業務用電力Aプラン(契約電力100キロワット、月間使用量20メガワット時)ではこれまでは55万円だったが、58万円に引き上がる。時間帯や季節によって変わるプラン(契約電力100キロワット、月間使用量30メガワット時)の場合、71万円から77万円に上昇する。
一部の家庭向けでは基本料金を据え置くが、電力量料金は4月1日から見直す。16年4月に新規受付を停止した旧オール電化プランを契約する約100万世帯が対象。時間帯や季節で変わるプランでは午前10時から午後5時までの電力量料金を1キロワット時あたり2円引き下げる一方で、朝と夜の時間帯では引き上げる。
契約容量が6キロボルトアンペアで月間使用量610キロワット時のモデルケースの場合、従来よりも3%高い1万7472円になる。
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