奈良県内で最も古い商店街とされる「もちいどの(餅飯殿)センター街」(奈良市)で、新しい商業施設の建設計画が動き出した。同センター街は起業を志す人に店舗を貸し出すチャレンジショップで街を活性化した実績がある。新施設でも物販やサービス、飲食の新テナントを国内外から期間限定で受け入れる。2026年春の開業に向けて施設の設計コンペを実施する。
新施設「餅飯殿NEXT+(プラス)」(仮称)は、商店街の北側入り口近くに312平方メートルの敷地を確保した。5〜10店舗の入居を想定する。商店街組合の魚谷和良理事長は「次世代の商店街像を模索していく。ワクワクする店を集め、周辺商業地や地域住民をつなぐハブの役割も持たせたい」と話す。
設計コンペについては登録を25年1月10日まで受け付ける。専門家による審査と同商店街の組合員を前にした公開プレゼンテーションを経て、25年3月末に設計案を決める。整備にあたっては組合の自己資金のほか、国や奈良市の補助金なども活用する予定だ。
同センター街は07年にチャレンジショップ施設「夢CUBE」を開設した。計9区画あり、3年間の入居期間を設けている。これまで県内出身者ら50人以上が「卒業」し、商店街やその近隣で開業している人も多い。商店街の活性化事例としても全国的な注目を集めた。新施設の開業に合わせて夢CUBEもリニューアルする。
もちいどのセンター街は、近鉄奈良駅の南側エリアにある全長約250メートルのアーケード街だ。歴史的な町並みが残る「ならまち」にあり、約90店が軒を連ねる。00年代初めには空き店舗も目立っていたが、近年はインバウンド(訪日外国人)を含め活況で、週末には1日3万人以上が通行する日もあるという。(高田哲生)
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